福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.133(H13/2001.7) -022/036page
正しいんだ。」ということになる。
○ モーターでモー夕ーは回せるか?
この場合も,ほとんどの者が「回せない。」と言うのだが,実際に回ることを確認すると,「やっぱりぐるぐる説だ。」ということになる。
○ 発光ダイオードは,どう光る?
「ぐるぐる説」なら,向きを変えると光らないということになり,実際に光らないことを見て納得することになる。
このようにして,「ぐるぐる説はどんなときにも正しいんだ。」という一般性を獲得していった。
4 授業を振り返って
本研究では,予見型の評価を取り入れたSPDによる授業づくりを通して,概念検証型の授業を創りあげ,概念としての理解を図った。
このことが児童にどのような変容をもたらしたのか,また,どのような課題があげられるのかについて,考察してみる。
(1) 児童の主な感想から
・自分の方法で実験できてすごく楽しかった。
・実験のしかたを考えるのが楽しかった。
・教科書とかに書いてある実験より,自分で実験したほうが分かりやすかった。
このように,自分たちで考え,自分たちで行った実験の結果は,児童にとって納得を持って受け入れられていることが分かる。(2) 児童の変容
@ 電気への関心の高まり
「今まで,電気についてあまり考えなかったけど,勉強をしてからいろいろ考えるようになった。」と感想を述べた児童がいる。このことは,電気への関心の高まりと見ることができる。A 理科学習の価値の再確認
児童の中には,「理科が好きになった。」「実験の楽しさが分かった。」など理科そのものへの意識の変容が見られた。このことは,理科学習の価値を再確認できたと見ることができる。B 自己変容の自覚
多くの児童が,電気,あるいは理科への見方が変わったと述べている。このことは,このような自らの変容を,児童自らが自覚することができたと見ることができる。(3) 今後の課題
@ 評価方法の吟味
A 児童の理解にあった反証,確証事象の吟味
B 他単元,他校種での可能性
C 追跡調査の実施
〈参考文献>
(*)「新教育21シリーズ新しい評価法はこれだ」
松森靖夫著,平成11年,学校図書