福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.134(H13/2001.11)-008/036page
「海岸周辺の地図作り」「野鳥の観察」「石や土の比較」「海岸周辺の植生」に関わるものが多かった。そのため,調査場所は子供たちの追究課題に対応できる地域として,相馬市の松川浦周辺を選んだ。
イ グループごとに,課題を解決するための調査内容や方法,準備物について話し合った。
ウ 移動教室では,自分たちで計画を立てた方法や準備物で調査活動を実施した。つりをしたり,実際に磯や干潟で生物を捕ったりする活動が中心であった。また,松川浦周辺を歩き,地図作りに取り組む子供たちも見られた。さらに,この活動を通して次のような特徴的な様子が見られた。○ ペットボトルに干潟と河口周辺の土をとり見比べる。
○ つりをして捕らえた魚の種類による模様やひれの特徴を比べる。
○ 磯の生き物の種類と分布について地図にまとめる。
○ 海藻を採り,塩水と砂糖水,水の中に置いた時の変化を見る。
○ とった生物について,図鑑を活用して種類や特徴を調べて分類する。エ 移動教室後は,調査した結果をまとめ,発表交流会をした。まとめ方は,項目ごとに整 理して図表にまとめたり,地域自慢のポスターを作ったりする姿も見られた。また,ガイドブック作りに取り組む子供も見られた。この活動を通して,自分たちが住む地域のよさや特徴について理解を深めていった。
3 第5学年スバルタイム
『森と共に生きる』
(1) 活動の概略
@ ねらい
原町市と他の地域との動物や植物の生育の特徴や土壌・岩石の特徴,水質の違いなどについて比較調査をすることを通して,自分の課題を主体的に解決するとともに,自分たちの住む地域についての理解を深め,自分ができることを実践しようとする態度を育てる。A 活動の様子
ア 社会科の「稲作のさかんな地域」「野菜作りのさかんな地域」や理科の「植物の発芽と成長」の学習をもとに,自分たちの周りの自然環境について見直し,個人の課題を設定した。
イ 調査対象ごとに小グループを作り,原町市について調べる計画を立て,調査した。
ウ 移動教室で,比較対象の場所として設定した磐梯山周辺や裏磐梯の湖沼群,猪苗代湖での調査活動を実施した。(二泊三日)
エ 移動教室の後で,会津地方の調査活動の簡単なまとめをした上で,原町市の自然環境についてもっと詳しく調べてみたいと考え,再度調査活動を実施した。スバルタイムの時間を活用し,子供たちにとって身近な水無川を調査場所とした。子供たちの調査対象は,水質,水生生物,樹木・草花,岩石・土などであった。この活動を通して,次のような姿が見られた。