福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.134(H13/2001.11)-009/036page

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○ pH検査用紙を使い,場所による水質の違いや色の違いがあることに気づいた。
○ 岩石には,それぞれ固有の重さがあり,粒の大きさや色に特徴があることが分かった。
○ 普段見過ごしている石の下や草の陰には,多くの生物が棲んでいることに気づいた。
○ 土地の高さや日光の強さに合った植物が生育していることに気づいた。

会津と原町の石の色や重さを比べる子供たち
〈会津と原町の石の色や重さを比べる子供たち〉

オ この後,グループごとにパソコンやTPシート,模造紙,画用紙などを活用し,発表交流会(子供たちからのアンケートにより「けやきっこレポートタイム」と名付けた)を意識したまとめ方を工夫していった。活動のまとめとして,パビリオン形式の「けやきっこレポートタイム」を実施し,子供たちは,自分たちが住む原町市や周辺地域への理解を深めるとともに,自然を守り続けることの大切さを感じ取ったようである。

 

Y 研究のまとめと今後の課題

1 研究のまとめ

(1) 課題設定については,教科の学習で十分に解決できなかった発展的な課題を多く取り上げた。博物館や図書館などの施設の活用による体験的な学習を重視することによって,追究意欲の高まりが見られた。また,子供たち同士で放課後に調査活動を行ったり,休日を活用して家族とともに調査活動を行ったりする姿が見られるようになった。

(2) 追究活動の時間を多く確保するために,市外での宿泊を伴うスバルタイム移動教室を各学年において実施した。それぞれの子供の課題解決を図る上で,ワンデイプラン(一日を活用して実施する計画)の中で追究活動やまとめの活動を他の子供たちと共に行えたことは,「共生」という観点からも大変効果があった。また,身近な地域と他地域を比べることは,身近な地域のよさを改めて実感させるとともに,新たな課題を見つけだすなどの「感性」の高まりが見られるようになった。

2 今後の課題

(1) 本来追究活動は,子供一人一人の課題の上に成立するが,それを実現するためには,指導者の確保が必要となる。テーマごとにグループを編成して支援を行ってきたが,保護者や地域の人材バンクの充実と活用によるネットワークの活性化を図り,子供たちの活動を十分に保障することができるようにしていきたい。

(2) 子供たちが新たな課題を見出すたびに,教科との関連を図った能力の育成が重要になってくる。教科の学習を充実させ,知的な高まりや総合化が図られるようにしていきたい。

(3) 一つのテーマの追究活動の終わりには,発展的な課題を提示するようにしてきた。活動の途中には,家族と地域の施設で調査をする姿も見られたが,これからもさらに保護者や地域の人と共に休日や放課後の時間を活用しての活動に発展していくことを期待したい。


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