福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.134(H13/2001.11)-010/036page
地域を活かした「総合的な学習の時間」の取り組み
〜学校・地域・家庭の連携のもとに〜 只見町立明和中学校T 生徒・地域の実態
本校は,生徒数41名,教職員13名の小規模校である。生徒は,素朴・素直であり,何事にも一生懸命に取り組む生徒集団である。保育所からの同一集団であるために,お互いを十分に知りあい,よい面・悪い面を十分に理解している。男女の仲がよく,互いに協力できる反面,友だち関係が固定化してしまう傾向にある。そのため,総合的な学習の時間をはじめ,清掃活動などで縦割り活動を取り入れ,お互いのよさを認め合う集団づくりをめざしている。
地域住民は「地域の学校」という意識を強く抱いており,地区センターや地域人材の活用に大変協力的である。また,地域の行事の中には学校を利・活用する場面も多くあり,地域と学校の連携が図られている。
1 「総合的な学習の時間」テーマ設定の理由
古い時代から引き継がれている文化や歴史・恵まれた自然など,もろもろの素晴らしい営みがこの地区には存在する。生徒たちは,それぞれの地区に継承された文化があることは分かっていても,由来を知ろうとしたり,実際に体験しようとしたりすることもなく,地域のよさに気づく生徒は少ない。
そこで,生徒一人一人の生活の基盤である地域の中に目を向けさせ,地域という身近なところを知ることから始めた。
2 基本的な考え方(視点)
○ 「生きる力」をはぐくむためには,各教科・道徳・特別活動において充実した活動を展開することが大切であり,そこで身につけた知識・技能・態度などを相互に関連づけ,総合化を図る内容にした。(知の統合)
○ これまでの学校行事を新たな視点から再構築し,総合的な学習の時間の学習活動と創意の時間との関連を図った。
○ ねらいを達成するために,全職員が一体となって計画し,生徒の多様な興味・関心や学習活動に応えるために学校外でも学習できるように地区センター等との連携を密にした。
○ 多様な専門的な知識や技能を持っている方々を活用したり,インターネット等の情報機器の活用の条件整備をした。(教育力の統合)(1) 学習課題の設定
@ 生徒の実態や地域の特色を生かし,テーマに迫るために「郷土理解学習」と「立志学習」 の2つの内容で構成した。
ア 地域の特色を知り,地域のよさをみつめさせるために,テーマを「地域(只見町)の様子を知ろう『明和タイム』」に設定した。
イ 社会性の育成を目指すために,特別活動との関連を図り外部にも連携・協力を求めたo
A 学習課題の「学習内容の範囲」については,