福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.134(H13/2001.11)-024/036page

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U 研究の見通し

1 研究仮説

小規模校の特性を生かし、各教師が連携しながら主体的に学校運営に取り組めるように、教務主任として、以下の手立てを行えば、個を生かす指導が充実するであろう。

(1) 小規模校の特性を生かすために

@ 地域の環境を活用した体験的な活動の設定。

A 近隣校との教育活動の協業化や連携の計画立案。

B 個に応じた学習指導を支えるための弾力的な時間の活用を図るための時間割の編成と時数管理。

(2) 教師間の連携のために

@ 複数担任制の導入と,生徒一人一人の特性を生かした指導への支援。

A 研修主任を中心とした,組織的,計画的な校内研修推進のための支援。

 

V 研究の概要と考察

1 小規模校の特性を生かすために

(1)総合的な学習の時間を中心とする地域の環境を生かした体験的な活動の工夫

@学校田運営
本校ではPTAの協力の下,地域の方から水田を借り受け稲作を実施している。しかし,その作業のほとんどをPTAにお願いし,田植えと稲刈りのみを行ってきた。そのような現状から生徒たちにとっては体験活動のみで終わってしまい,学習としての広がりが感じられない状況にあった。
そこで,「中学生にできることはやらせよう。」「1年間を通してかかわれるようにしよう。」という教師,保護者の意見を取り入れ,田植え前の準備,水の管理,定期的な観察,雑草取り等の新たな活動を取り入れた。また,昨年度から1年生の総合的な学習の時間で「学校田にかかわる学習」という課題のもとに各自がテーマを決め,学習に取り組むようにした。PTAの協力の他に,地域の稲作の専門家を招いての学習なども取り入れた。
学校田

平成12年度 学校田運営

〈考察>
保護者で,稲作をしている家庭が多いにもかかわらず,田植えの経験のある生徒は少なく,ましてや,昔ながらの手作業はほとんど初めてであり,特に1年生は四苦八苦している様子であった。保護者や上級生の支援により,どうにか,作業が進められた。順番で縦割りの班で行う学校田の観察も3年生がリーダーシップを発揮し,稲の生長はもとより水田の中の動植物にも興味を示し,進んで観察する姿が見られた。また,1年生の総合的な学習の時間もこれらの体験的な活動を受けての学習であり,自分の課題をしっかり持っことができていた。


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