福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.134(H13/2001.11)-026/036page
<考察>
学年により差が見られるが,6割以上の生徒がこのような取り組みを肯定的に受け止めている。よい意味での競い合う姿が見られ,今までにはなかった昼休みや放課後の時間に自主的に種目練習する姿が見られた。また,力が発揮できた生徒にとってはこの後の学校生活の中で自信となって現れている。
(3) 個に応じた学習指導を支えるための弾力的な時間割の編成
これまでは,補欠による自習の時間をなくそうという意図で,週ごとの弾力的な時間割編成を行ってきた。これを各教科や個に応じた学習指導の充実という観点から,教師の声を生かした弾力的な時間割の編成へと改善を図った。
理科の観察・実験や保健体育の授業を75分にしたり,1年生の数学を25分で行ったりという1単位時間の弾力的な運用を図る。陸上大会や文化祭などの学校行事の前に,保健体育や美術, 音楽の授業を集中して実施したり,全校体育や全校音楽を組み入れたりして時間割編成を行う。
具体的には,前の週の火曜日までに各教師の要望をまとめ,出張等との調整を図りながら時間割を編成していく。時間割は木曜日の朝の打合せで確認する。授業時数は週案により各自が確認するとともに教務においても管理し,月ごと,学期ごとに調整を図り年間総授業数の確保に努める。
<考察>
観察・実験,作業や実技を75分で行う理科,保健体育,美術にっいては教師,生徒ともによさを認め,授業の成果も上がっている。また,体育祭や文化祭等の学校行事前に時数を集中させて行うことも,行事の成功はもちろん授業への取り組みにも目的意識が見られ意欲につながっている。週ごとに時間割が変わるために生徒の忘れ物等が心配されたが,毎日の短学活での連絡を徹底し,メモを取る習慣を身に付けさせた結果,問題はあまり見られなかった。
2 教師の連携
(1) 複数担任制を支えるための打合せの時間の設定と情報の提供
担任どうしの打合せは空き時間を利用し普段からできる環境にあるが,時間割の中に位置づけられると,より計画的な取り組みが期待できる。また,他の学年の話し合いのようすが伝わり,お互いによい刺激となることが期待される。
<考察>
複数担任制のよさが理解され,2人で学級を担任しているという意識が高まった。定期的な打合せにより共通理解と計画的な取り組みがなされた。生徒が多面的,客観的にとらえられている。