福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.134(H13/2001.11)-032/036page
W 検証授業の実際と考察
(1) ファースト・プレゼンテーション
(資料1ファースト・プレゼンテーション)
ファースト・プレゼンテーション実施のアイディアは,生徒の質問がきっかけであった。
「他の人が何をしているのか知りたい………」
という一言で,中間報告の時間を設定しようと思いついた。講義と板書の授業に慣れてきた生徒は,主体的な活動を要求される「調べ学習」「発表学習」に戸惑いを感じていたようだ。ファースト・プレゼンテーションでは,生徒自身が他の生徒の活動を通して自己を相対化し,課題に対する解決方法を内発的に模索する機会を設定したという点で効果があった。これによって,セカンド・プレゼンテーションに向けての動機・意識がよりいっそう明確になり,生徒の活動が積極的になった。また,セカンド・プレゼンテーションの 「予告」という意味から,発表内容・方法が明らかにされたため,発言に対する「責任」=「目標を達成しなければならない」「他の生徒の期待にこたえなければならない」といったプレッシャーが生まれてきた。これが結果的には,その後の調査・研究を充実させ,セカンド・プレゼンテーションおよびディスカッションの成功につながった。
(2) セカンド・プレゼンテーション
(資料2ワークシート評価・反省)
新聞・雑誌・参考文献を利用して調査・研究をすすめてきたものの,理解した知識を文章表現する能力が不十分であった。これは映像メディア(テレビなど)に接する頻度が圧倒的に高く,文字メディアヘのそれが低いことが原因ではないかと思われる。例えば,新聞紙上における記事のレイアウトや文字サイズの違いによる強調を工夫することにより,わかりやすい表現に配慮していることへの認