福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.134(H13/2001.11)-034/036page

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生徒の存在など,多くの制約を受ける。しかし,1年次から継続的に指導すれば,時事問題に関する興味・関心が高まり,思考・判断が深化・拡大され,公民的資質を育成することができると思う。
他校ではもちろん,本校においては,特に,課題解決型学習を積極的に導入し,21世紀社会に求められる人材の育成に努めなければならない。他県での成功例も参考に,今後の新教育課程の編成および総合的な学習の時間の在り方の議論の中で,具体的な方向性を模索 していきたい。

(2) 評価の観点

「プレゼンテーション学習」のような授業形態の場合,生徒の諸活動を複合的に評価しなければならない。導入時のアンケートによる診断的評価,ファースト・プレゼンテーションでの形成的評価,さらに活動終了時の総括的評価において,いかに多くのデータを収集・測定できるかがポイントである。表現の方法論と実践の経験が第一目標であったので,客観テストでの評価は考えなかった。今回は,生徒が自由に書いた感想や反省のシート,相互評価のフリーカード,ビデオ映像記録などを利用したが,他の有効な方法について研究を継続したい。また,生徒が自らの変容に気付き,次のステップの課題や到達目標を見出せる自己診断的評価および形成的評価の場面(例えばファースト・プレゼンテーションなど)を設定することの重要性を認識した。

(3) 今後の発展的学習の展開

ディスカッションによる「一般化」「社会化」を発展的に実現するため,調査・研究したテーマによる「ディベート学習」を展開したい。ディベートにおけるゲームの要素(相手を論破する技術の競い合い)を強調し,声の大きさや質,表情,身振りなどを総動員して「表現」「説得」する能力とともに「受容」する態度を育成したい。

(4) 表現力育成のためのプレゼンテーションの必要性

マス・メディアの発達する現代社会においては,双方向のコミュニケーションがますます重要になる。今後とも,生徒自身が「学び」 「考え」「書き」「話し」「聞く」など,表現する機会を提供していきたい。この研究を通して,知識・理解をべ一スにした表現力育成の訓練の必要性を痛感した。
「教師が変われば授業が変わる」
「授業が変われば生徒が変わる」
私自身,自ら学び,考え,行動すべきだと改めて感じたところである。
これからは,「生徒・保護者」の二一ズを把握し,「学習・社会環境」のマーケティング・リサーチに取り組みたいと考えている。
社会の変化を予測し,自ら考え,行動できる生徒を育成するために,今後も授業研究に努めていかなければならない。

*参考文献
平成11年度教育研究法講座研究報告書
            (福島県教育センター)
高等学校学習指導要領解説公民編
                   (文部省)


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