福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.135(H14/2002.2)-002/036page

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<特別寄稿>

福島県小学校長会長、白河市立白河第一小学校長 加藤征男   今こそ,我が振り直して
福島県小学校長会長     
白河市立白河第一小学校長
加 藤  征 男

本校では,次年度教育課程編成に当たり,児童理解を目的として全校児童を対象にしたアンケート調査を実施した。

まず,学校に来る楽しみ(学校に来る喜び)については,友だちと遊ぶが80%,休み時間やふれあいの時間が80%,授業が30%であった。
授業について,よくわかる・わかるが70%となっており,くしくも例の七・五・三の七と同じ結果となった。わかる理由としては,教え方がわかりやすい,簡単だ,楽しい,などとなっている。

また,自分から進んであいさつができる76%,みんなの前で自分の意見が言える53%,友だちがたくさんいる90%,学級の友だち以外の人とも遊べる80%,家で毎日手伝いをしている60%,いやなことでもがんばれる74%,給食は好き嫌いなく食べられる57%,登下校は自分の足で歩く85%などとなっている。

他の項目も含めて,今回のアンケートによる実態調査は,本校児童の現状を端的に把握できる貴重な資料となり,多くの示唆が得られた。

別に実施した,保護者,教職員への調査の結果と併せて,本校教育の先に進む出発点として有効活用したい。また,家庭や地域との連携や協働の場へも,課題を明確にするための切り口として提供していきたい。

さて,これらの実態について「なかなかがんばっているな」と私は思っている。勿論,この程度のレベルで満足してよいわけではないし,本校児童の可能性はこんなものであるはずがないとも思っている。しかし,彼らが今,身を置いているさまざまな状況を考え合わせた時,よくがんばってくれていると思うのである。

"さまざまな状況"の中で,私がとても気になっていることがある。それは,大人の価値観がどんどん多様化し,どんどん拡散していることだ。

近年,個性重視が強調されるに伴って,"自分らしく"や"自分は自分"を大切にするあまり,楽しく,愉快に,気に入ったように暮らすことを他の何よりも優先して目指すようになってきているのではないかと危惧される。また,物の豊かさや次々に実現する便利さの増大と反比例するかのように,自省したり,感謝したり,相手の気持ちを考えたりすることが少なくなり,心の至らなさや自分勝手な振る舞いがどうも目立つようになったなと感じているのだが,どんなものであろうか。

目的をはき違え,酒まで持ち込もうとするなど混乱してしまった成人式,嘘を言っている人がいたために解任劇にまで至って混乱した政治の世界,利益のみを追求したために全てを失うことになってしまった大企業,影響の大きさに考えがおよばずとんでもない行動をしてしまった公務員の不祥事など,このところ毎日のようにマスコミを賑わしている。更に,中学生の暴行致死事件が発生してしまった。図書館で騒ぎ,そのことで注意を受けたことを逆恨みし,仲間を集めて仕返しに行き,死んでしまうまでのひどい暴行をしてしまったという報道だった。詳


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