福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.135(H14/2002.2)-015/036page

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分たちで育てた花で,会津坂下駅の花壇の整備を行い,駅舎の清掃活動をしている。

(3) 介護体験学習

生活経営科3年生は会津坂下町にある老人福祉施設で,1日介護体験学習を実施している。生徒たちはグループごとに話し合い,スポーツ・車椅子を押しての買い物や散歩・お話・清掃・爪切りなど相手の立場になって考えながら計画・実習している。初めは戸惑っていた生徒たちもすぐに慣れ,積極的に取り組んだ。さらに関心のある生徒は,長期休業中にボランティア活動に参加し,目的意識や意欲を高め活動している。

7 反省

本校の生徒たちは今まで教わるだけで,人に教えるという経験はほとんどなかった。緊張したり恥ずかしがったりしながらも,小・中学生に日頃授業の中で学んできた内容を指導することによって,その内容をより深く理解できたようである。また,何よりも生徒自身に主体性が身に付き,自信を持って行動できるようになった。

さらに,活動を通して小・中学生が本校の学習内容や,各科の特色を理解できるようになるとともに,本校生徒への理解が深まった。

 

Y 成果と課題

1 活動の成果

生徒を先生とする活動を通して,地域の方々や小・中学生との連携事業は,本校生が授業の中で学習したことを実践できる場として大変有益であった。また,生徒も自分達が地域に貢献できる機会を通して自信を持つことができ,高校生としての自覚と責任感が持てるようになった。

(1) 本校の取り組みに対して

@小・中学生や地域の方々に本校の各学科の特徴や学習内容を理解してもらうことができた。
A地域とのネットワークが強まることにより地域との連携が進み,地域の方々が気兼ねなく学校に足を運ぶようになった。

(2) 生徒の取り組みに対して

@学習したことを確実に自分のものにするためには,学んだことを生徒なりにまとめ,教え,発表するなど自ら実践することが大切である。各生徒がそれぞれの活動を実践することによって,学習内容がより確実に生徒たちに定着した。
A活動を通して,学習をお互いに分かち合い「できた・わかった」という喜び・充実感をもつことによって,生徒が自信を持ち,社会性や協調性が身についた。
B「先生」として教える側に立つことにより,教える難しさ,大変さを経験し,自分の今までの学習意欲・態度を考える機会となった。そのことで,学習に取り組む意識の高揚につながるとともに,自覚・責任感を持つようになった。

2 今後の課題

(1) 農業の持つ教育力のすばらしさをより効果的に活用できるような内容の検討。
(2) 地域の方々や,小・中学校の児童生徒が,興味を持って取り組めるようなテーマ・内容の選定。
(3) 教科との関連性を持たせながら,年間計画の中に位置づけて取り組む方法の検討。
(4) 取り組みの視点や目的を見失い,イベント的な時間で終わらせないための,継続的な活動計画の検討。
(5) 事前指導の中で生徒自身に目標を設定させ,実施後に到達度や理解度について自己評価させるなど,目的意識をより明確にする方法の検討。
(6) 「生徒が先生」となる,主体的な取り組みへの教師の関わり方についての検討。


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