福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.135(H14/2002.2)-024/036page

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成に,「数量関係」の領域においては式を読んだり立てたりする力の育成に研究の重点を置き,上記の研究主題を設定した。

 

U研究仮説

1仮説

算数科「数と計算」「数量関係」領域において次の手立てをとれば,進んで計算に関わり,数の見方を豊かにするであろう。
 @ 既習内容・方法を想起させ,学習の見通しを持たせる支援の工夫
 A 大きさを比較したり,答えを予想したりする見積りの場の設定
 B 表現力を育成するためのワークシートの活用
 C 学習の振り返りへのKR情報(※1)の工夫

2仮説について

(1)「既習内容・方法を想起させ,学習の見通しを持たせる支援の工夫」とは

まず本時の学習に必要な基礎的事項を復習・確認させることで理解を一層確かなものにしてその定着を図る。次に「アイテムカード」に既習事項を書き出させ,活用させることによって児童が見通しを持ち,自分の考えに沿ってやり遂げられるよう支援する。「アイテムカード」とは葉書程度の大きさの厚紙をしおりとして教科書にはさんでおきながら,児童が必要と感じたときに活用できるようにしておくものである。
【図1】その活用にあたっては,既習事項を使った課題設定を工夫し,児童と教師が身近な問題を構成する活動場面を設定する。そうすることで進んで計算に関わることができ,計算の仕方を自ら考えるだろうと考えた。

図1 アイテムカードの例
【図1 アイテムカードの例】

(2)「大きさを比較したり,答えを予想したりする見積りの場の設定」とは

単なる勘ではなく,既習の数の大きさを根拠に据えた大小比較をする見積りの仕方の指導をすることである。一つの数を他の数の和や差として見たり,概数で見積りをしたりする活動を取り入れることによって数の見方が豊かになるものと考える。

(3)「表現力を育成するためのワークシー卜の活用」とは

数式的表現・図的表現・言語的表現などの表現力が定着するよう,ワークシートを用いて表現の仕方を練習する。【資料1】これによって計算の仕方を考える素地作りをすることである。数直線図を立式の根拠としたり,式を読んで数直線図や言葉で表現したりと,複数の表現をすることによって数のとらえ方が多様になり,数の見方が豊かになるものと考えた。

(4)「学習の振り返りへのKR情報の工夫」とは

4コマ日記による記述(児童が4つの観点を設けて学習を振り返る)とそれに対する教師からの適切なコメントをすることである。児童は,


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