福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.135(H14/2002.2)-027/036page
1,2,3,5,の4枚の数カードを見せて,好きな数字で真分数のたし算を作らせた。児童が考えた中から次の計算を取り上げることにした。
・3/5+1/3の計算のしかたを考えよう。
分母が違っていることを確認し計算方法と結果の見通しをノートに書かせた。【資料3】解決の段階では分母を15にした児童と30にした児童に分かれた。分母を30とした児童は,答えを約分することで暑14/15を導くことができた。これまで算数を苦手としていた児童へは,かけ算九九表をアイテムカードに貼り,活用させることで,3と5の段の共通な答えを見つけて通分し自分たちで解決できた。この児童への4コマ日記へは【資料4】のようなKR情報を返した。
(2) 考察(諸検査の結果と考察を含む)
@ 「アイテムカード」が見通しを持たせ,自力解決の際の手段となり得るかどうか。
既習内容を発展させて未知の内容に気付かせる課題設定を行ったので,見通しを持つための視点が明らかになり活用する姿が見られた。「アイテムカード」を見て単位分数の大きさを意識したり,既習事項を確認したりするようになった。
A 数の大きさを根拠として計算結果の見積りをすることができるかどうか。
以下の表は授業で課題とした式に対する見積りの状況である。第5・6時目ではまだうまく見積もれない児童もワークシートを活用させることで分数の大きさを的確にとらえることができるようになってきた。B 「ワークシー卜の活用」が児童の表現活動に生かされているかどうか。
基礎授業T・Uでは,【資料1】のようなワークシートでの取り立て指導が,児童の図的表現力の育成に効果があることが分かった。本単元では【資料3】のワークシートを活用させたことにより,第9・10時においては【資料5】のように確かな図的表現をする姿が確認できた。
C 算数学習に対する意識はどう変容したか。
【資料6】の結果は,学習している単元に大きく左右されてしまうことがある。しかし検証単元を終えた時点では,どの児童も算数へ取り組む意識の変化を感じていることが分かった。