福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.136(H14/2002.7)-036/036page

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スクール・ディストリクト

「スクール・ディストリクト」とは、日本の市町村教育委員会にあたるところで、下の図のように幼稚園から高校までの学校及び図書館、家庭教育支援施設などを設置・管理していました。ここでは、国や州の方針を受けて、地域としての教育方針や施策を明確にし、地域の実
態に応じた学制を採用するなど、主体的に教育行政を推進していました。

スクール・ディストリクト

※「ペアレンティングセンター」とは、学校や家庭で子供を育成するために必要な教材や本、遊具等を保管している施設で、地域の保護者や教師に無料で貸し出しをしています。

授業に生きる資料

職業教育の実践

職業教育が、ミドルスクールの2年生からハイスクールの4年生までの6年間、教科として、カリキュラムに組み込まれていました。ミドルスクールでは、職業に関する基礎的な知識や技能、将来生きていく上で必要となるコンピュータの操作技能など職業学習の基礎を育成することに重点が置かれていました。ハイスクールでは、興味や関心に応じた職種を選択し、実際に職場で4〜6週間の実習を行うなど専門的な知識や技能が習得できるようなプログラムが設定されていました。

職業教育の実践

米国の教育事情


福島県教育センター
研修グループ教科教育チーム
長期研究員 五十嵐逸郎

私は、国際ロータリー第2530地区(福島県)主催の「グループ・スタディ・エクスチェンジ」の一員として,1ケ月間、米国のルイジアナ州・ミシシッピ州の教育施設などを視察してまいりました。
米国の文化・生活習慣などは地域によって大きく異なり、学校教育おいても地域や学校に応じてその組織や取り組みに違いが見られました。しかし、どの学校、教育機関を訪れても、教育に携わる人々すべてが、自分の職業に誇りと自信を持ち、献身的に教育活動に取り組んでいました。そのような米国の教育事情の一端を,ミシシッピ州ぺタル市の取り組みから紹介いたします。その内容については、教科や「総合的な学習の時間」などの指導において、国際理解という観点から活用していただければと思います。

学校の設置について

基本的に、小・中・高の3つに分かれていますが、子供たちを取り巻く社会の変化や子供たちの身体的・精神的発達を考慮し、年齢に応じて細分化されていました。小学校は、幼稚園を含めて年齢に応じて、2つに分かれていました。中学校は、ミドルと称され、初等教育から中等教育への円滑な移行を目的に設置されていました。高校は、個性を伸ばすために選択教科を数多く取り入れ、4年間でゆとりを持って履修させていました。

学校の設置について

小学校の様子
小学校の様子
小学校の様子

 

リーディング向上のための
取り組み

米国では、リーディング力向上という国レベルの課題があり小・中学校においては、「リーディング」という教科を設けて、カリキュラムに取り入れていました。ぺタル市では、国や州の方針を受け、地域としての重要課題として、独自のマニュアルを作成し、リーディングカの向上に努めていました。
マニュアルによれば、教師による読み聞かせ・主体的な読み手を育てるための読書の励行・読解を深めるための読み方の習得・ライティングカの向上・単語力(音声・綴り・語彙力・ハンドライティングを含む)の向上・家庭でのリーディングのすすめを指導の柱としています。子供たちのリーディング力の向上のために、学習状況を保護者へ通知し、保護者への理解と啓蒙を図ったり、ペアレンティングセンターや図書館においては、本の貸し出しをするなど、学校・家庭・地域が一体となって取り組んでいました。

[小学校のリーティングの授業の様子]
小学校のリーティングの
授業の様子

 

 

 

 

 

 

コンピュータの活用

各教室はもちろん、図書館、コンピュータラボなど校内のいたる所にコンピュータが完備され、いつでも、どこでも、誰でも必要な時にコンピュータを使用できる環境が整えられていました。子供たちは、幼稚園からコンピュータに触れ始め、リーディングや算数など様々な教科で活用したり、職業教育に位置づけてソフトウェアの基本的な操作技能を習得したりするなど、コンピュータが学習活動に効果的に活用されていました。

教室の様子(小学校)
教室の様子(小学校)

コンピュータ室の様子
コンピュータ室の様子

図書館の様子
図書館の様子

中学校の授業の様子
中学校の授業の様子

 


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