「花粉管の観察実験がうまくいかない。」という声が多く寄せられます。そこで、花粉管の観察がうまくいくコツを紹介します。
○ インパチェンスの品種の選び方
インパチェンスは、「一年中栽培可能なので、実験時期を選ぶ必要がない。」というメリットがあるが、花粉ができない品種もある。花粉ができる品種は、花の中央に種子ができることから判別できる。 |
○ 寒天培地の作り方と観察
インパチェンスで花粉管の伸長を観察する場合、寒天培地の砂糖水の濃度は8〜10%が適当である。
※ 寒天培地の濃度は植物の種類によって異なる。 |
@ くみ置きの水100ml に、砂糖(三温糖)8〜10gを溶かし、寒天の粉末1〜2gを加え、温めて溶かす。
A @の寒天溶液を、スライドガラスにピペットで1滴たらし、寒天培地とする。この寒天培地に、インパチェンスの花粉を少量付ける。
B 花粉管が伸長するまで3〜5分(室温)待ち、低倍率の顕微鏡で観察する。
※ 室温が低いと花粉管がうまく伸長しないので、その場合には、窓越しの太陽光が当たるところに置いてから観察する。
※ 砂糖水の濃度が4%以下の寒天培地では、原形質が破壊されてしまう。
○ 栽培する場合の留意点
・気温が10度以上でないと開花せず、霜にあたると枯れてしまう。
・寒冷地を除き、冬期間は日当たりの良い教室であれば冬を越させることができる。
・植物体が枯れても、土を乾燥させないようにすれば、こぼれ落ちた種子から発芽することもある。
(枯れたからといって捨てない。)
|