福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.137(H14/2002.11)-033/036page

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― 授業に生きる資料  
教育研究チーム
インパチェンスを用いた花粉管の観察
雲のできる様子を調べる実験装置

インパチェンスを用いた花粉管の観察

「花粉管の観察実験がうまくいかない。」という声が多く寄せられます。そこで、花粉管の観察がうまくいくコツを紹介します。
インパチェンスを用いた花粉管の観察

○ インパチェンスの品種の選び方
インパチェンスは、「一年中栽培可能なので、実験時期を選ぶ必要がない。」というメリットがあるが、花粉ができない品種もある。花粉ができる品種は、花の中央に種子ができることから判別できる。

 

○ 寒天培地の作り方と観察
インパチェンスで花粉管の伸長を観察する場合、寒天培地の砂糖水の濃度は8〜10%が適当である。
※ 寒天培地の濃度は植物の種類によって異なる。

寒天培地の作り方と観察

@ くみ置きの水100ml に、砂糖(三温糖)8〜10gを溶かし、寒天の粉末1〜2gを加え、温めて溶かす。
A @の寒天溶液を、スライドガラスにピペットで1滴たらし、寒天培地とする。この寒天培地に、インパチェンスの花粉を少量付ける。
B 花粉管が伸長するまで3〜5分(室温)待ち、低倍率の顕微鏡で観察する。

  室温が低いと花粉管がうまく伸長しないので、その場合には、窓越しの太陽光が当たるところに置いてから観察する。
  砂糖水の濃度が4%以下の寒天培地では、原形質が破壊されてしまう。

○ 栽培する場合の留意点
 ・気温が10度以上でないと開花せず、霜にあたると枯れてしまう。
 ・寒冷地を除き、冬期間は日当たりの良い教室であれば冬を越させることができる。
 ・植物体が枯れても、土を乾燥させないようにすれば、こぼれ落ちた種子から発芽することもある。
(枯れたからといって捨てない。)



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