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時間:
3分50秒
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オオムラサキが育つに連れ、エノキ畑の周りもだいぶ季節感が出てきました。オオムラサキの幼虫も最後の脱皮を終え、終令幼虫になっていました。幼虫は自分の体が大きくなるに連れ、台座を作り直します。こうして糸を吐き出し、幼虫時代最後の我が家を作っていきます。そして美味しいエノキの葉を求め、出かけていきます。このころになると幼虫は一日中動き回り、猛烈にエノキの葉を食べます。上手に前足で葉を押さえながら、美味しそうにもりもり食べます。そしてまた移動開始。オオムラサキの終令幼虫の食事はまるで食べ歩き。移動しては食べ、また食べては移動し、エノキの木を縦横無尽に動き回ります。今はただ、ひたすら食べるのが幼虫に科せられた日課。幼虫はこの後、さなぎ、成虫へと育っていきます。たっぷりと栄養を付けて、立派な、国蝶オオムラサキになって欲しいと願います。たっぷり食べれば出るもの出ます。 ようやく一休み。 |
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時間:
3分03秒
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この日も終令幼虫は食べ続けていました。数時間後、幼虫が葉の裏に糸を張りだしました。オオムラサキは葉の裏でさなぎを作ります。さなぎになることを蛹化といいます。これはその蛹化の準備です。糸を張り終わると頭を上にして糞を出し続けます。体の中の不純物を全て出します。不純物を出し終わった幼虫は、透明感のあるグリーンに変わっていました。やがて幼虫は逆さになり、さなぎになるのを待ちます。この状態を前蛹といいます。すでにもう、幼虫の体の表面に凹凸ができているようにも見えます。こちらは逆さになって2日目の幼虫。体の色も、淡く透明感のあるグリーンになっています。時折、何かに反応するように動きます。今、幼虫の体の中で着々とさなぎになる準備が行われています。それにしてもこの愛らしい顔。さなぎになったらもう見られなくなってしまうのが、ちょっと残念な気もします。幼虫が時折見せるこの仕草。体のどこかがかゆいのか、詳しくは分かっていません。暫くすると、幼虫の背中の中央に、白い線のような模様が現れてきました。蛹化が近づいてきたことを示します。 |
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時間:
5分59秒
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翌日、天気は晴れ。予定では、今日、オオムラサキの蛹化が見られるはずです。逆さになってから3日目の幼虫です。昨日よりもさらに、背中のラインがはっきりしてきました。そして体の表面もぼこぼこになっています。体のあちこちで、ぴくぴく、ぼこぼこ。この体がどうさなぎになっていくんでしょう。興味津々です。昼過ぎ、ぼこぼこだったからだが、一転して丸みを帯びてきました。表面にしわのようなものも出てきました。数分後、体の側面に太く白いラインが浮き出てきました。蛹化の始まりです。体全体をくねらせ、表面の皮、表皮を上に押し上げていきます。背中の部分が割れ、中からさなぎが見えてきました。やがて、頭まで完全に割れ、さなぎの形がはっきりと見えてきました。なぜ、あの愛らしい幼虫がこのような姿に変わるのか、ここに生命の神秘を見ているような、そんな気がしました。蛹化が、終わりへと近づきました。ここでちょっと面白い光景を見ることができます。この部分をご覧下さい。 さなぎのお尻の先の部分がまだ宙に浮いています。これから、この部分を抜き出し、葉の裏に吐いた糸にくっつけます。体を大きくそり返し、マジックテープ状になったフックを、自分の吐いた糸に引っかけます。そして、最後に脱いだ皮を落とし、蛹化が完了します。さなぎは暫くこうして動き続け、徐々に静かになっていきます。さなぎの表面をよく見ると、気門と呼ばれる小さな穴が閉じたり開いたり。まるで大きく深呼吸しているようです。やがて表面が乾燥し、蛹化が終了します。ここからおよそ2週間。あの愛らしい幼虫が蝶に変身するのです。卵から孵化しておよそ10ヶ月。ここまでは何事もなく、順調そのものです。しかし、中にはこんな例があります。終令幼虫の背中に、小さな蜂がとまっています。寄生バチです。今、幼虫の体内に卵を産んでいます。この卵は幼虫の体内で孵化し、幼虫から栄養をとって成長します。悲しいことに、この幼虫はもう蝶になることはありません。 |
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