勝常寺に生きる仏たち〜米と文化の里・湯川村〜(3/5)

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日光月光両菩薩
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こちらに日光月光両菩薩が納められています。ここには国宝指定を受けた日光月光両菩薩を始め、国の重要文化財である仏像が納められています。
三尊国宝指定記念式典
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平成8年11月4日に、湯川村体育館で、国宝指定の記念式典が行われました。式典には佐藤栄佐久福島県知事を始め、多くの来賓者が集まりました。…心からお祝い申し上げます。また、国宝指定にご尽力をいただきました、文化庁の皆様はもとより、保存伝承に努めてこられました、歴代のご住職を始め、関係の皆様には深く敬意と感謝の意を表する次第であります。
祝賀会
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ご唱和をお願いいたします。乾杯!乾杯!おめでとうございました。その後、祝賀会が行われました。

記念講演会
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同じ日、湯川村公民館では、東京国立文化財研究所情報資料部長松島健さんによる講演会が行われました。松島さんは文化庁調査官としてこの国宝指定を担当されていました。…是非国宝にしたいと、えー、いうふうに考えた次第です。
県立博物館館長の話し
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えーこの度湯川村の勝常寺の仏像が国宝に指定されたということで、村の方々大変喜んでるようなんですけれども…そうですねー。館長さんはどの様に感じられていますか?えー実は私も大変喜んでおるんですよ。というのはですね、仏像でもって、あの、東京から北にある物が、これまで、あの、重要文化財ってのは沢山ありましたけど、国宝っていうのはなかったんです。今度は初めてなんですね。それが第一と、それからもう一つ、この仏像というのは奈良や京都なんかでは絶対作られないような特色を持った、つまり東北的な個性を持った仏像なんですね。そういうものが国宝になったということですから、ちょうどこれまで日本全体の中に仲間入りしていなかった東北が、一つ新しい文化の、日本的な基準の一つとして立つようになったと、私はそういう風に思って、私自身が勝常寺の人以上に喜んでおります。そもそも勝常寺はいつ頃建てられたんでしょうか? あのー、そうですね、このはっきりいつ建ったという記録はございません。しかしこの仏像はあの徳一という人がいなければできない仏像ですから、従ってその徳一関係の仏像をこんな古い形で置いているわけですから、徳一の年代、と考えていいと思います。そうすると、だいたい、1200年ちょっと欠けるかもしれませんけれども、平安初期、あの、徳一が教えを説くための本拠とした磐梯町の恵日寺というのとほぼ同じ頃に建って、今から1200年近く前の頃の物と、平安初期、そういうことになると思います。都の貴族中心にだけ考えられていた仏教に対して、地方、なかんずく東日本北日本に於いて、仏教の恩恵にまだあずかっていない人たちのために新しい仏教が開け、そのときの拠点としてまず恵日寺が、そして恐らくそれに引き続いて勝常寺がと、そしてそのためのこういう立派な仏像が、そのいわば救いの証になるようなものとして建てられて、そして恵日寺では全部滅んでしまったけれども、勝常寺だけが12体も立派なものが残るようになったと、そういう事じゃないでしょうか。
薬師三尊
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この12体の仏像というのは、えー、今度指定になった薬師様と、それからその脇士といいまして、この薬師様にいつもお仕え、お側にお仕えする仏様という意味で脇士というんですが、それ日光月光というんです。従って、お寺の中ではいくら沢山仏像があっても、この本尊になる薬師如来とそれをおつきとして付いている日光月光、これ3体セットですので、これ薬師三尊というんです。で、これ特別に重要な意味があるんですね。それからできも勿論いいです。できもいいんですけれども、特別に重要ですから、やっぱり作りも特別にと。そういうことから、12体あるうち、特別にこの薬師三尊、すなわち薬師如来と、日光菩薩と月光菩薩とこの3体がとりあえず、国宝特別指定になったと。

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湯川村の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。