勝常寺に生きる仏たち〜米と文化の里・湯川村〜(4/5)

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特徴
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今回国宝に指定されました、3体の仏像にはどんな特徴があるんでしょうか。そうですね、え、特に本尊の薬師如来様ですけどもね、え、これは奈良や京都では絶対に作られないような、もうはっきりとした特徴があるんですね。例えば、髪型は眉の所までまっすぐこう下がるくらいにして、あのー、下に下がってきておりますから、なんかこう、帽子を目深くかぶったような形を、なんというか、そうこれ不恰好になります。それから鼻筋はたいていは仏様の尊厳をよくだそうとして、ずーっと通るようなそういう行き方に作るのが普通なんですけど、これは非常に鼻筋が短くて、あれですから、ちょうどなんかこう、三角形を顔の真ん中にポンっと置いたような、そういう感じ。それからそれに対して口は非常に唇が分厚くて盛り上がったような形になって、下顎は非常に短いと。ですから、こういったような形っていうのは、仏様の神聖を表すのにはやや異常なんですね。そのくせ例えば肩幅は大変、こう広くできている。通肩という風にいいまして、普通は片肌のみに衣を着るのが仏様の、これ、普通なんです。この、これだから、両肩からかけるようにして。で、例えば、こんなような形の仏像というのは、もし奈良や京都でしたら、もっともっと仏様が立派や崇高にできるために、もっともっとこう明るく綺麗にしかもすかっとした形に作っていく。そこの所に私は、この、徳一の考え方に至ったこの仏像というのは、奈良や京都で貴族の人たちにだけ受け入れられるような仏像ではなくて、かえってここのところでなければ作られないような仏像でもってしかもその救いというものを東北型にきっちりとした形に表している、そういう考え方がここに表れてこういう仏像になったので、具体的には徳一という人をモデルにして、そのイメージを聖なるものに高めていって、そしてそれを遠くの人たちの大地に根を下ろしたところの、仏像の形にしていく、それがこういう形になったんだと思って。
聖観音
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その他の仏像も、国の重要文化財の指定を受けており、全国的に見ても貴重な作品が残っています。聖観音菩薩立像。薬師三尊に近い仏像ですが、より均整のとれた端麗な像で、三尊よりはやや天平様が薄らいだ感じがします。ケヤキの一木作り。台座は同時代に作られた、力強いそりのある蓮台ですが、少々大きすぎるので、失われた像のものを流用したのではないかといわれています。
四天王
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四天王像立像。天平様式が残っているこの像は、大安寺の四天王像とよく似ているといわれています。邪気台座までも一木作りで、邪気は事に動きが少なく、うずくまって、面白い顔をしています。四天王の憤怒相もユーモラスな誇張で、後の憤怒相のような気味悪さがありません。多聞天と呼ばれている像だけは両手が後から補われ、顔の部分も掘り下げられているため、後世の手法が目立っています。しかし、制作時代のおりるものではなく、他の像と同時代に作られた、動的で、強い作風を示しています。

十一面観音
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十一面観音菩薩立像。会津三十三カ所第十番札所の本尊。勝常寺で一番背が高く、219センチメートルくらいで、彩色の痕跡が残っています。この像だけが、ケヤキ類ではなく檜を用いているといわれています。この像を安置していたお堂が火災にあっているので、火災時にだいぶ損傷したらしく、両手や顔、宝冠などは後に補われたり掘り下げられたりしています。石帯と呼ばれている帯の丸鑿の手法や、衣の波打ち方などに、天平以前の古い様式が見られます。
地蔵菩薩
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地蔵菩薩立像。わが国で現存する、最も古い時代の地蔵菩薩二体のうちの一体。衣の手法などに、平安朝初期の趣が残されています。顔立ちは童顔で、慈悲柔和に満ちた表情をしています。この地蔵菩薩は通称雨降り地蔵といわれ、大正の初期まで雨乞いの本尊となり、勝常寺にある池の島に出して、旱水供養が行われていました。
地蔵菩薩
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もう一体の地蔵菩薩立像。この像は顔などの補修を受けており、多生見劣りしますが、平安初期の優作です。雨降り地蔵と共に、特異な衣の手法が施されており、天平の様式が伺える作品となっています。

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