からむし織 2000年 魂の伝承(2/4)

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萱の垣に守られて、からむしはおよそ2ヶ月の間にぐんぐんと成長します。人の背丈を越える程に育ったからむしは、夏の盛りに収穫の時期を迎えました。収穫が行われるのは、7月20日頃、いわゆる夏の土用の頃からお盆前まで。お盆を過ぎると、からむしは皮が厚くなり、品質が落ちてしまうのです。刈り取りは、一本ずつ根元に鎌を当てて、切り口が斜めになるようにしないと上手く切れません。それほど、繊維が強いということです。早朝、朝露が消えないうちに刈り取りは行われます。露に濡れたみずみずしいからむしは、葉を落としやすく、作業がしやすいからです。からむしは、成長した長さによって三つに分けられます。最も成長したもの、茎が太いものは、おや苧。 茎が細く、すらりとしたものを、かげ苧。一番短いものを、わたくし苧と言います。かげ苧が、繊維にした場合、最も美しく、品が良いものが出来ます。
切り揃え
時間: 40秒
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刈り取った後、葉を取り除いた茎を束ねます。そして、尺棒と呼ばれる木の板で、長さを測り、切りそろえます。このとき、かげ苧は3尺8寸、つまり1メートル15センチ。おや苧は4尺2寸、1メートル27センチに揃えられます。
水に浸す
時間: 1分07秒
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収穫したからむしは、冷たい水に浸します。水に浸すことで、皮を剥ぎやすくするためです。水から引上げたからむしは、まず茎をひしぎ、皮を2枚に分けるように剥ぎます。収穫の時期には、村の技術者達とともに、からむし織り体験生も作業に加わりました。そして、もう一度水に浸します。これは乾燥を防ぎ、からむしに含まれる草の汁、青水を流すためです。

苧引き
時間: 1分16秒
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次に、繊維を取り出す作業が行われます。熟練を要する作業の一つ、苧引きと言われています。引き板の上で、お引きごと言われる道具を使って、ソヒキ皮と言われる表皮の部分を落とします。生の草からようやく少し青みがかった光沢のある繊維に変身する一瞬です。この光沢をきらと言います。このきらが、からむしを上布と呼ばれるまでにしたのでしょう。一本づつ引き終える度に、傷のあるもの、ないものに分けられ、各竿にかけて乾燥させます。そして、日の光に当てないように保存して秋を待ちます。
からむし織の里フェア
時間: 58秒
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また一方で、からむしは世界に出ても引けをとることはありません。今年夏に開かれた、からむし織の里フェアでは、韓国の苧麻生産地である、韓山の人達が訪れ、昭和村のからむしと韓山モシ、二つの苧麻の交流が行われました。これまでにも、今から100年あまり前、明治28年に、昭和村の夫妻が当時のロシアに招かれ、栽培技術の指導を行ったという記録が残されています。
ふるさと学習
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昭和村では、からむし織りに関わる人々が、子供たちにからむしを伝える授業を、ふるさと学習という形で行っています。興味深々の表情で見つめる子供たち。こんなところからも、からむしの伝統が引き継がれようとしているのかもしれません。「綺麗だと思う。」「やってみたいと思う?」「うん。」「もっと柔らかいかと思ってたけど、触ってみたら結構硬かった。」

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