金沢製鉄遺跡郡群 |
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「でも、どうしてこの場所に役所が出来たのかなぁ。」「うーん、難しい質問だねぇ。泉の周辺には、金沢製鉄遺跡郡と呼ばれる、日本最大の製鉄地帯があったんだよ。泉廃寺跡から、1.5キロ程しか離れていないところ、ほらちょうど今、東北電力の原町火力発電所がある場所だよ。」「あー、知ってる知ってる。」「ここでは、鉄を作るための炉の跡が見つかって、大量の鉄を生産していた事が分かったんだ。」「どうしてそんなにたくさんの鉄が必要だったの?」「それはね、当時、東北地方の一部には蝦夷と呼ばれる人々が住んでいて、まだ中央政府の支配の及ばない地域があり、そこを開拓して支配下に置こうとして、そのための農具や武器が必要だった。だから製鉄地帯が必要だったんだ。また、行方郡には中央政府によって置かれた軍隊である軍団があり、その上神社も八つもあったんだよ。行方郡の周りにある標葉郡や宇多郡には、こうした神社がそれぞれ一つづつしかないから、行方郡がとても重視されていたんじゃないかなぁ。」 |
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役所の役割 |
時間:
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「じゃあ、その行方郡の役所が果たした役割ってどんなものだったのかなぁ。」「郡の役所で働く役人は、郡内にある村から税を集めて管理したり、村人の名簿を作ったりして、郡内に住む人々を治めるのが主な仕事だったから、郡の役所にはそのような役割を果たすための建物がたくさんあったんだよ。泉廃寺跡では、発掘調査によってこのような建物の跡がたくさん発見されているんだ。ちょっとその様子を見てみよう。これが建物の跡だよ。四角い穴は、柱を立てるために掘られたものなんだ。当時の建物の多くは、直接柱を埋めて立てられた建物だったんだ。木造の建築だから、柱は長い年月が経つうちに腐って無くなってしまうんだよ。発掘調査で見つかるのは、このような柱の穴なんだ。」「あそこには、柱の穴が一列にずーっと長く並んでいるよね。」 「そうだね、あれは塀の跡だよ。ここの建物は、塀によって区切られた敷地の中に立てられていたことが分かるんだ。また、塀の真ん中辺りには、門がついていたことも分かったんだ。これは、八脚門と呼ばれる立派な構造の門なんだ。秋田県の秋田城跡でも見つかっているんだよ。」
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建物を復元 |
時間:
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「イメージが湧かないなぁ。」「よし、それじゃ当時の建物を復元してみよう。」「すごい、立派な門だね。」「本当ねぇ、それにたくさんの建物が並んでいるね。ここは何なんですか?」「ここは館といって、郡の役所に勤める役人が宿泊したり、食事をとったりする施設だったと考えられるんだ。また、館は国などの役人が来た時に、酒や料理を用意してもてなす場所でもあったんだ。そのためにこんな立派な門を作ったんじゃないかな。」「奈良時代にはこんな建物があったのね、すごい。」「でも、これは役所のごく一部で、他にもいろいろな建物があったんだ。郡の役所には、館の他に正倉、郡庁、クリヤなどと呼ばれる施設があったことが記録されているんだ。泉廃寺跡では、こうした建物が東西約1キロメートルの広い範囲に広がっていたんだ。それじゃ、時間をさかのぼって当時の行方郡の役所の様子をもっと見てみよう。」「うわー、これが奈良時代の役所の姿なんだぁ。本当に広い範囲にたくさんの建物があるんだね。」「同じ大きさの建物がたくさん並んでいるね。 |
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