すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -007/203page

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だり、書いたりする女子は、あまりいなかったのですが、シカは、寺小屋の先生に文字を習(なら)い、覚(おぼ)えるほど勉強好きだったようでした。

シカの母も祖母も男の子を生まず、婿(むこ)とりだったので、シカが男の子を生んだことをたいへん喜びました。そこで、先祖からの名、「清太郎(せいたろう)」の「清」の字をとり、「清作」 と名づけました。

清作が、野口家を一人前の農家に立ちなおらせるものと、シカは、大きな望みをもって育てていましたが、清作が三歳になったときのことです。

農家では、一ばんいそがしい田植どきの五月、タ食のしたくで、裏の畑へ行っていたシカは、「ぎゃあっ」 という清作の泣き声におどろき、あわてて家にかけこみました。そこには、燃えさかるいろり火の中に左手をつっこみ、火のつくように泣きさけんでいる清作がいるではありませんか。シカは気がくるったように清作をだきあげました。その左手は、にぎりしめられたまま、真っ赤に


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