北会津村誌 -000-16/534pag

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の大いなる変貌についても、詳細記録を残して、村の向かうべき方向を示し、記録を後世に伝えなければならないと思った。町村合併のあわただしい中で、前村長牧原氏もこれを考慮されたことがあったと聞いている。私はこれを、この秋の北会津村成立10周年記念式までに間にあわせたいと思った。

 この時、隣の大沼郡新鶴村新屋敷新田出身で、10年前に立派な立派な新鶴村誌を編さんして残した山口弥一郎氏のあることを思い出した。氏は地理学で理学博士の学位を得、現在東京の亜細亜大学教授の職にある。その上福島県では文化財専門委員、県史編さん委員などと、多忙な仕事をしておられる。しかし私は、氏をおいて村誌編さん依嘱者はないと思いこんだので、準備委員の方々にはかり、北会津村には氏の親戚縁故者も多いので、それらの方々にも口添え願って、約半ヵ年かけて、ついに快諾をうけるところへこぎつけた。私はこれでもう成ったような感激さえ覚えた。

 氏の1ヵ年の仕事ぶりは全くあざやかであった。そのためには、委員は勿論区長さんまで召集、協力させられた。「村誌は将来の村人のために、村人自身が作って残すべきものである。」というのが氏の信条のようである。そして、くまなく村々を廻り、村人と語り、調査する、手堅い実地の仕事から始められ


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