北会津村誌 -060/534pag

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と、実に591センチという、盆地では想像だに出来ない積雪量に達し、標式的裏日本の深雪地帯になる。

 この雪が、春の雪どけで、まずその年の冷たい洪水を盆地にもたらしてくる。雪や氷の塊が細い堀や、低い橋をふさいで俗にざいという局部的氾濫を起す。これは大量の降雨による堤防決潰をもたらす洪水とは全く質の異なったものである。

 しかし間もなく春がくる。雪国の春は、ことのほか楽しく、陽当りのよい土堤の南、家の南側などは、早く雪とけて乾き、土の香りがしてくる。「東岸、西岸の柳遅速同じからず」とあるが、西陽をうけて東岸の河面のねこやなぎが芽出す。子供たちは急に解放されて、この乾いた土間を選び出し、ぞうりを持ち出してははき、陽光をあびて、戸外の遊びごとを始める。

 しかし、この頃になっても朝夕は冷たく、時に降霜がある。秋霜は収穫期で、雪ほどにあまり作物に害を及ぼさないが、春先の晩霜は桑や柿の若芽、その他野菜の早苗などに被害を与えることがある。平均終霜日は5月2

吹雪にさらされた中荒井村東の風景
吹雪にさらされた中荒井村東の風景
(42.1.8撮影)

雪にうずもれた今和泉村南の風景
雪にうずもれた今和泉村南の風景
(42.1.7撮影)


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