北会津村誌 -061/534pag

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日から6月頃までと観測されているが、時に5月下旬頃にやってくると大被害を及ぼすことになる。それで農家では「百五の霜」などといって、立春より105日を経ると霜もなくなり、苗のしつけをやってもよいなどといっていた。この苗床に関する限りは、ビニールなどで蔽う温床が普及して、苗代の保温折衷苗代などと共に、優れた耕作技術で、防災が遂げられ始めている。

 次は梅雨であるが、これは西南日本よりやってきて、大体東北地方でも南半で終る現象である。福島県の梅雨入り平均は6月14日、明けは7月17日ということになっているが、この33日間に、完全に雨の降らない日は平均して半分に満たない15日、1ミリ以上降る日も15日には達するという。しかし梅雨で恐ろしいのは梅雨そのものより、その梅雨明けごろやってくる、熱帯性低気圧の台風で、古くからの洪水記録も、近年の大洪水も、殆どこの梅雨終期に襲来していることである。このことは、洪水村の北会津村に特に重要なので、次項に詳述する。

 会津盆地の気候は、日本では勿論大陸性などという激しいものではなく、内陸性とでもいってよいように、福島盆地ほどではないが、冬の寒い割合いに、夏は温度が高い。年平均でみると、会津若松で11.4度、(摂氏、1954〜1960年平均)会津高田もほぼ同じであるが、月別にみると会津若松で1月零下0.9度、2月零下0.5度で共に零下となっている。一日の最低気温の累年の平均値をみると、会津若松は3月も零下になっている。

 しかし、7、8月は比較的高温で、会津若松年平均7月24.0度、8月25.5度となっている。日本の最高気温は、昭和8年7月25日、高温な東南風が奥羽山脈を越して山形盆地に吹き下し、フェーン現象という圧力の加わった特異な高温現象があって、山形盆地で40.8度に昇ったのをレコードとしている。やはりその前日若松でも同じような現象が起って39.8度という記録があるが、その年は1日前の25日に坂下で37


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