北会津村誌 -067/534pag

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津地方を限った場合、必ずしも一致していない。それに降水量は、測定の絶対値で大体正しいものは近年の記録が多く、大洪水といっても、特に古いものは、その大きさは概念杓で、明確を欠く点が多い。次は洪水は一日の最大雨量で突発約に起ることもあるが、多くは2日乃至3日の連続雨量、それに永い梅雨挙が前にあるとか、台風時のように暴風をともなう場合に洪水度を大にする。

 東北地方は高緯度で、裏日本の積雪量は大であるが、梅雨、夏の季節風からはそれ勝ちで、台風も多くは弱まり、西南日本のような著大な日雨量はみられないようである。会津盆地斜面は、大正14年以来の最大日雨量は昭和33年9月29日南倉沢の245.0ミリで、それ以上のものは計測されていない。それであるから東北地方の最大日雨量は恐れたものでないとはいい得ない。福島県下でも、昭和4年5月23日に原町市で455.0ミリの計測がなされている。

 しかし洪水は日雨量がやや低くとも、2、3日の連続雨量として集計されてもたらす場合が多い。台風も2日以上にわたることがないではないが、連続雨量は、梅雨明け頃に、大地が連目の雨で熟している時にやってきて、被害を大にすることがある。会浄地方では、日雨量のあまり大きな記録はないが、連続雨量では可成のものがある。連続年最大雨量を会津地方でいくつか順位をつけてみると、昭和16年7月21日から翌22日にわたる連続雪量大川支流の鶴沼川上流湯本で309.9ミリが最高であったが、昭和31年7月14、15、16日の三日問の連続は会津高田町で319.7ミリが測られている。会津地方でも連続雨量の場合300ミリを越すことがみえるのは、むしろ驚異的といってもよい。田島では昭和16年7月21、2日の連続雨量258.5ミリが最高であるし、会津若松では昭和31年7月15日より16日に至る184.2ミリが最高である。これらの多くの降雨量統計をみていると、絶対雨量は、会津盆地底では必ずしも著大ではない。しかも洪水


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