北会津村誌 -075/534pag

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  粗    19貰  15貰  5貫

  密    32貫  25貫  9質

その解説をみると、このような成分は大川の沖積地に原因する原土の成分と見做して適当である。普通の土壌に比して極めて痩地の土壌で、粘土成分の含量は、塩酸に可容性のものも亦少量ある。粘土成分は中壌土であるが亜酸化鉄が多量にあるから、養分の吸収力はよいが、なお中程度以下で、殊に窒素に対する吸収カは極めて低いこの点肥料の施用上に困難がある。

 つぎは理学性として、水分に対する関係は良好であるが、水を飽和にした場合、水分の吸収量は粗密の間に甚しい相違があり。植生には良好でない状態であると述べている。

 それで耕作地としては概して良好でないから、地味の改良を計ることが肝要であると指摘している。

 3、鶴沼川沖積地 館の内・荒井の西部の小地域を占めるが、大川沖積地の上層に沖積したところで、砂質土よりなり、下層の礫層が極めて浅い。鶴沼川用水を灌漑して、生産力がやや高いとある。旧鶴沼川、今の大川の氾濫した上に、その後、現在宮川、鶴沼川がたびたび洪水によって氾濫し、表土を上部に堆積した地域である。

  3、土 壌 と 生 産 力

 下部に砂礫層を部厚くもつ砂質壌土であるから、地味は元来痩せていること勿論である。これを古くから祖先が開拓して、地味を逐次改良してきたのである。この土壌調査でも次のようなことを述べている。

 「吸収力低きを以て、一時に多量の肥料を供給する時注意すべし。可溶性肥料の如きを単用すべからず。常に有機物と混用すべし。蔬菜類では、深根作物の如き、肥料の吸収力弱きため、かえって意外の効果を奏すること


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