北会津村誌 -386/534page

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録として残っているわけではないが、幸い北会津村に関しては、その大部分を占める地域の「会津郡中荒井村風 俗帳」が、全文ではないがみられる。(福島県史23、民俗 1、昭和三十九年三月刊) その後文化四年(一八〇 七)にも風俗帳が書き上げられているが、文化六年(一八〇九)に新編会津風土記が完成しているので、その書 上げの風俗記録はよくわからない。

 これはあまり古いものではないが、県は昭和七年一月四日付で、各小学校などへ、郷土誌編さんを指示してい る。下荒井小学校と川南小学校で、それぞれ一冊編さんされ、その中に、いくらか民俗などの記録がみえ、北会 津村としては貴重なものである。

 昭和三十年「東北民俗誌―会津編―」の刊行が成ったが(山口弥一郎著)古風な生活を固守している奥会津の 山村の生活記録が主になっている。これに昭和三十九年三月刊行された福島県史の民俗 I、つづいて昭和四十二 年三月民俗 IIが刊行され、福島県下の一通りの民俗記録が整って、村の生活研究の対比ができるようになった。 その間に、昭和三十九年七、八月、文部省の指示により、福島県教育委員会が、県下の民俗資料緊急調査(福島県 の民俗 昭和四十一年三月)を三〇部落で行なった。会津地方でも、幾つもの部落調査を行なったが、近くの村 では大沼都会津高田町の西勝部落で行ない、北会津村の部落では行なわれなかった。

 この「北会津村誌」編さんに際して、各部落の区長に、二〇項目ほどの書上げを依頼した。そして特に北部で 石原、中部で中荒井、南で麻生部落を選び、改めて民俗調査を試み、現在の時点での生活慣習調査ともいうべき 資料の蒐集につとめた。この記録は主に、これらの資料を軸として、その他の資料・文献・記録などを参照しな がら、綴られている。

 村の生活資料は、現在、広く民俗学の分野で取扱い、民俗資料ともいわれているので、民俗とか習俗、慣行生


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