北会津村誌 -390/534page
関係などは、殆どみられなくなった間柄でも、集団 生活意識が強いようにみられる。これは、会津地方 は勿論、東北地方などに特に強く残っている現象で ある。関西地方などの、特に都市近郊の村々などで は、一つの土地に住むから、或る程度の社会生活の 必要性は認めるが、血のつながりも殆ど察知できな くなった本家と分家の間柄などは、その名称さえ忘 れ去ろうとしているほどである。
北会津村の各部落をみると、やはり本家と分家の つながりが、相当古くなっても、容易には崩すまい とする古老が、まだ多いようにみえる。その主因は 勿論、わかされ、これは血のわかされもあるが、土 地のわかされ、特に屋敷を分けた場合、祖先より伝 えてきた耕地を分けた場合に強い。分家は本家より の独立であり、創立であり、名字を同じくする場合 も多いから、つながりを、伝統に求める場合が多い し、またそれを固持しようとする傾向も強い。
このほか、現在の北会津村にはあまり目立たない