北会津村誌 -414/534page
上半分を土蔵壁にしているなどのが目立つ。
母屋の前の広場はにわで、脱穀や、乾燥場などに当てるが、その側に、ため場という、厩肥などのためばがあ った。これは屋根をふくことに改良されて、建物の中にとり入れたり、野良の堆肥になって、失われ始めてい る。屋敷の広い場合は蔬菜園、果樹園などをおき、さえんばなどとも呼んでいる。城下町会津若松市のさえんば は、実は北会津村で、これ も広く通称されているのは 村の特性を表現しているよ うで面白い。
もう一つ屋敷構えで目立 つのは、扇状地の湧水地帯 であり、旧河川跡などに沿 う用水堀も多いので、多く の家に小堀なり、湧水をひ き入れ、また数軒共同で一 つの清水を使うなりして、 使い場が多いことである。 さえんばで、冬の蔬菜出荷 などに、湧水のぬるみは、