北会津村誌 -433/534page
こえためば(肥料貯蓄場)、ふりおけ、 いもあらい棒、肥いひしゃくなどが みえる(42.1.7 西麻生にて)陸漁業は全く成立たない。
ただ清水が多いところから、鱒養殖が、あちこちで試 みられ、現在真渡で成功している例がある。当村の手代 木卓偉が昭和二十五年に最初試みたそうであるが、この 見通しがつくと、同二十七年、村人八人が共同して村東 の清水をひい て、大規模に 水槽を数個( 現在は大小計一〇個)つくって始めた。湧水であるため、一年の水温 があまり変化しない。大体一六〜一八度くらいを保てるのが必至の条 件となっているが、時に真夏は二二〜二三度にものぼることがあるの で警戒している。現在は一五万匹ほど養殖されているそうであるが、 東山温泉・会津若松の市場を扣えているので、湧水利用の新な産業と なりはじめている。
4、陶磁器業 これは本郷町が瀬戸町といわれるほどの特産地であ るため、敷地の関係と、水力と運送などの立地条件から、昭和八年、本 郷町でガイシの生産を営業していた山口伊勢次が、東京の上原嘉一郎 と相互出資して始められたものである。もとはガイシ類は東京の上原