北会津村誌 -446/534page
そして女だちは三十三観音の御詠歌をあげ、本田・十二所など、 穴掘念仏踊のある村では念仏供養をやったこともある。
穴掘、棺かつぎは、六尺といって多くは村に順次当番がきまっ ている。白衣をまとって行なう。この六尺には穴場などで、必ず 酒と飯を供さなければ ならないことになって いる。
出棺の時、会葬者に 大椀に酒を注いで出 す。これを出立ちの酒 という。婚礼のはわらじ酒というが、冷酒を一杯ずつ飲む風習があ る。
真渡の新仏の埋め墓(石を上から下げる)葬式の式次は世話人が呼びあげ、大体先頭に一家台といって提灯を もち、つぎに死花・六合・御花・玄水・灯明・松明・香炉・霊膳・位 牌と近親者が棺に近く、次が御棺で、上にはひがさをおき、四角のふ きながし、かんまきの布をつける。後には親類・婦人連中・村人とつ くが、婦人は白布をかむり、えんのつなといって白い布をのべて、皆 で持つ風などが残っている。施主、ごく近親者は上下か、かたびらな