北会津村誌 -458/534page

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神に捧げる意味から発していることは、充分うなづかれる。

 十一月十五日の油しめ、十月十二日の山の神の日には、田の神が再び山の神になって帰っていかれる意味が含 まれている。

  四、お 盆 行 事

 旧七月一日を泣きのついたちなどといったのは、仏を供養する月ということであろう。またこの日は、地獄の 釜の口のあく日であるなどともいっている。会津盆地の多くの村では、冬木沢参りをする。新仏の霊をなぐさめ るためである。

 七月七日には墓参りをやる。このために墓掃除などを未明に行なう。これを十日に行なう家もある。また七日 にたなばたを飾り、ねむた流しをしたというが、たなばたの風は盛んになり、都市の一部では、仙台の名物たな ばたを真似て、大規模、華麗なものとし、全く意味が異なって、商店の繁昌、大売出し、広告を兼ねるようにな り、他方ねむた流しは、意味もわからなくなって、逐次盆地の村々では行なわなくなっている。

 墓火はもとは十三日から焚いた。墓で焚くほかに、屋敷のかどぐちや、家の使い堀ばたなどで焚く家があった が、これも墓火だけになっているのが多い。

 この日多く盆棚をつくる。盆棚を、仏壇のほかに、別個につくる村などが磐城地方などで見受けるが、年とり の神棚はいほうの方につくるものといって、平常の神棚と別個につくる家でも、会津では盆棚を独立してつくる 家は殆ど見受けない。この盆棚つくりを仏迎えとして七日に行なう村もある。

 十六日までがお盆で、この間盆礼又は盆休みといって若夫婦の里帰りがあったり、豊年盆踊なども行なわれる


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