平成11年度学力向上IDプラン 実践集録-002/045page
(2) 教科プランの生かし方
指導者側が、プランを日々意識して授業ができるように、インデックスを付けて学習指導計画案に学期毎に貼付した。学期末には、各項目について自己評価(ABC)し、学年部会で話し合ったうえで、全体会において反省点を発表し合った。こうした積み重ねによって、次学期に力を入れて指導する視点が明確となった。
〈資料2の1〉〔指導者の自己評価と反省〕
2年 めざす子どもの姿 ・意欲的に課題に取り組もうとする。 ・自分の考えをもって、課題解決に取り組む。 ・既習事項を基に解決し、生活に生かす。 具体策・実践事項 自己評価 ◎個々の考えを大切にし、操作活動を基にした念頭操作活動を促す。 (A) B C ・身近な生活の中から具体的な場面を設定する。 A (B) C ・ドリル等を効果的に活用しながら定着の時間を確保する。 (A) B C ・既習事項と生活場面との関連を図る。 A (B) C ・学級差が大きく、全く同様に授業を進めることはできない。当然、TTの形態も別の形となる。かけ算の学習で2クラス3Tを実施したが、後半は1クラス2Tのほうが効果があったのないかと思う。九九を覚えるのに差が大きかったのは、過程の協力の差でもあったように思う。 ・2学期は九九を覚えるのに精一杯だったので3学期は活用できるように練習させたい。
3年 算数 めざす子どもの姿 ・自分の考えをもって、意欲的に課題解決に取り組む。 ・解決の喜びを味わい、その後の学習や生活の場で活用しようとする。 具体策・実践事項 自己評価 ◎個々の考えを大切にし、図や文を使って表現する。 (A) B C ・レディネスを把握し、効果的な課題提示の工夫をする。 (A) B C ・個に応じた支援を充実させる。 (A) B C ・ドリル、プリント等を用いて反復させる。 (A) B C ・ノートの活用を工夫する。 A (B) C ○レディネステストの結果は、課題提示の工夫だけでなく、個別支援に役立てた。 ○毎時、まとめの後に練習の時間をとるようにした。最後の一人までできるためには、かなり時間オーバーしたが、必ず最後までやらなければならないという意識は高まったようだ。たくさんのプリントによる練習を子どもたちは喜んだ。 ○次の単元を学習すると、前の学習内容を忘れてします子がいつもみられた。単元終了後も時々定着を図るための練習が必要である。 ○ノートをもっと活用できるように声をかけていきたい。
〈資料2の2〉〔学年部会の反省〕
第2学期 研修の反省
1、国語・算数基礎学力向上プランの具体策・実践事項の反省
2年 国語 めざす子どもの姿 ・話す人を見て、よく聞く。 ・順序を考えて、分かりやすく話す。 ・読み物を進んで読む。 具体策・実践事項 自己評価 ◎聞き方のきまりについて意識付けを図る。 A (B) C ・授業や諸活動の中で、話す機会を与えるよう配慮する。 (A) B C ・読み聞かせや読書の時間を確保する。 (A) B C ・見たこと、したことを絵や作文などで自分の気持ちをこめて表現させる。 A (B) C 読み聞かせや、読書の時間を確保できた。子どもも読書に興味や関心を持つことができた。 見たこと、したことを長く書けるようになってきているが、自分の気持ちや文章の書き方(かぎかっこや句読点の使い方)などについても指導していきたい。 2年 算数 めざす子どもの姿 ・意欲的に課題に取り組もうとする。 ・自分の考えをもって、課題解決に取り組む。 ・既習事項を基に解決し、生活に生かす。 具体策・実践事項 自己評価 ◎個々の考えを大切にし、捜査活動を期にした念願操作活動を促す。 (A) B C ・身近な生活の中から具体的な場面を設定する。 A (B) C ・ドリル等を超え糧に活用しながら定着の時間を確保する。 (A) B C ・既習事項と生活場面との関連を図る。 A (B) C 生活科のおまつりなど、身近な生活の中からかけ算の学習へと結びつけることができた。定着の時間を十分に確保し、T・Tという形で一人ひとりの学習の確かめができた。おはじきなどの操作活動、さらに発展させた形で念頭操作活動も行うことができた。
昨年度は、学年部会で話し合ったことをまとめて現職だよりで知らせてきたが、今年度は、全体会の中で発表し合う形式をとった。これによって、各学年でどのような取り組みをしているのか具体的に知ることができ、よい実践は互いに取り入れようとするようになった。
また、共通の悩みについては、話し合って学校全体で取り組んでいこうという方向付けの場となった。
各学年が視点として掲げた項目以外でも、基礎学力向上のために大切なことは多々考えられる。学習訓練の問題、教材教具の問題、生徒指導上の問題等、総合的に考えていく必要がある。これらの様々な問題を話し合う場として、プランの反省を現職教育の全体会で行ってきたことはよかったと考える。