平成11年度学力向上IDプラン 実践集録-011/045page

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3 コース別学習(物語教材を中心として)
(1) 授業作り
自己学習力を育て、主体的に学習させていきたいとの願いから、授業作りを行った。事前の診断的評価から、学級一人一人の実態と学級全体の傾向をつかみ、一人一人が、学習課題解決に向けて意欲的に取り組めるような授業作りを工夫した。課題解決のための方法を多様化するためにいくつかのコースを設け、児童がそれを選択することによって、一人一人が主体的に学習に参加できるよう授業を組み立てた。
(2) 児童の興味・関心を考慮した課題解決のための表現コース例

(1) 5年実践 いたいいたい虫
ぼくのつぶやきコース クニ子先生のつぶやきコース 心の交流カレンダーグルーブ 書き込み+音読コース
(1)クニ子先生からの手紙を読んでいるぼくの気持ちを想像し、着目した言葉とともに書き出す。 (1)手紙を書いているクニ子先生の気持ちを想像し、着目した言葉とともに書き出す。 (1)いつ、どんな出来事があったかを拾い出させ、心情の揺れが分かるよう書き出す。 (1)クニ子先生、ぼくの心情を想像しながら、書き込みを行う。
(2)ぼくの気持ちについて話し合う。 (2)クニ子先生の気持ちについて書き出す。 (2)二人の心の交流の深まりについて話し合う。 (2)グループで分担して音読する。

(2) 6年実践 やまなし
イメージスケッチと視写コース 対比表コース 吹き出しワーク対談コース
(1)イメージスケッチした五月と十二月の場面や情景に、特徴が表れている語や文を選んで視写する。 (1)五月と十二月の比較の観点に従って、対比表にまとめる。 (1)観点に対するかにの思いを想像して、ワークシート上で対談する。
(2)イメージスケッチと視写した文を読み合い、五月と十二月の違いについて話し合う。 (2)グループで、対比表を比較し合い、一言感想を中心に話し合う。 (2)書き込んだワークシートを交換し合い五月と十二月の違いについて話し合う。

(3) 自己実現を促す指導・支援,実践の成果と課題
○ 自分にあった学習方法の選択・工夫や、学習形態を多様化させることにより、意欲・関心・自分なりの考えをもって主体的に授業に参加できた。
○ 心情曲線・つぶやき・手紙などの方法により、心情を容易につかませることができた。
○ 児童の反応を大切にした個人支援を中心に学習を行い、課題に対する自分の考えをきちんとまとめさせることにより、下位児童の学習参加を促すことができた。
● 学習方法の多様化により、コースごとの交流が難しくなりがちだったため、それぞれの方法の共通点や課題を常に明確にしながら、授業を進める必要がある。
● ワークシートを工夫することが、逆に学習活動を複雑にすることが見られたため、課題をストレートに追求できるようなワークシートや、児童が自分なりの考えで創意工夫できるような単純化されたワークシートを追求していきたい。
● 教材の指導の本質をふまえ、より主題に近づくためのコースを精選、設定していきたい。


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