平成11年度学力向上IDプラン 実践集録-019/045page

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中学校編
1. 学力テストの分析による陥没点と要因の明確化及び手立て
1. 事例A―[NRTテストの分析と手立て]
昨年2月に行ったNRTテストの結果を、結果の分析と前年との変容、陥没点の要因、陥没点を補うための今後の具体的な手立てという4つの視点から教科ごとに分析した。
(1)国語
(1)陥没点とその要因
年々進む活字離れが影響してか、特に説明的文章や論説文の読解が弱い。その要因として、生活の中で会話が少なくなっていることや、活字に触れる機会が少なくなってきていること(視覚的メディアの増大)が考えられる。そのため、自分の考えを人に伝えるために書いたり話したりすることを苦手としている生徒が多い。
(2) 陥没点を補うための具体的な手立て
発表の仕方や語彙力定着のための家庭学習の仕方を指導し、授業の中で定着を図るとともに、問題解決的な学習を積極的に導入し、思考力の向上を図る工夫をする。
また、授業中に十分達成できない事項については、長期休業を利用し創作など自由研究に取り組ませ、表現力の向上を図る。
(3) 手立てを講じての変容
説明的文章や論説文の読解が、若干ではあるが向上している。また、表現についても「書くこと」について抵抗感がなくなり、進んで自分の考えを書こうとする姿勢が出てきた。しかし、「話すこと」についてはまだ十分とは言えないので、今後さらに具体的な手立てを講じていく必要がある。
(2)数学
(1) 陥没点とその要因
文章読解力が低いことと文字を使って表すことに抵抗があるため、文章問題の正答率が低い。関数については、グラフ・式といった断片的な知識しかないため、関数的な見方・考え方ができない。図形では、角度や長さを求める問題はよいが、論理的に考える問題ができない。
(2) 陥没点を補うための具体的な手立て
文章問題については、問題の条件を表にまとめたり図式化させたりして、立式までの過程を丁寧に扱う。関数については、身近な例を取り上げ、機会あるごとに1,2年の復習を入れていく。図形では、論証力を高めるため筋道をはっきりさせてから証明に取り組ませる。
(3) 手立てを講じての変容
立式までいかないが図に表して考えようとする姿勢が見られるようになってきた。関数については、繰り返し復習することで関数への抵抗が減ってきた。図形では、証明するとはどういうことかが理解できない生徒が多く変容はあまり見られなかった。
(3)英語
(1) 陥没点とその要因
話すこと・書くことといった表現する力が弱い。この要因としては、授業で十分な時間が取れなかったことと、授業の受け方が受け身的で、積極的に言葉を使ってみたいという欲求が起こっていかなかったためと思われる。
(2) 陥没点を補うための具体的な手立て
QandAを取り入れることにより、話すことに対する抵抗を少なくするようにした。また、書くことに関しては、ALTを活用して手紙を書いたりすることに力を入れた。それによって、生徒が興味関心を持てる授業づくりに努めた。
(3) 手立てを講じての変容
話すこと・書くことの表現力は、昨年に比べて伸びが見られた。ただ、平均からするとまだ低いので、実態に合わせた授業づくりをしていくことが必要であると考えられる。


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