平成11年度学力向上IDプラン 実践集録-034/045page

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(3)T・T指導の工夫点
(1)T・T指導では能力別指導が効果的と言われているが、すべて能力別で指導するには、生徒・保護者の理解や施設面での課題が多い。そこで、展開時を中心とした能力別コース(基礎コース、応用コース)を設けた。
(2)能力別コース分けは、本人の希望により分けることが望ましいが客観性に欠ける場合がでてくるので(友人関係に左右されやすい)、課題解決の見通しの有無、内容、
基礎力の有無などを調べ、自己判断しやすいように配慮した。
(3)T1、T2を固定化せず、相互に交換できるようにし、一時間の中でも柔軟に対応できるようにした。
(4)発表場面では、コース毎に邪魔にならないように時間差を設けるなど配慮した。
(5)授業の中でも教師間の意見交換や情報交換を密にし、個に応じた支援やフィードバックができるように配慮した。

<赤井中:T・Tの授業に楽しく取り組んでいる風景>
赤井中:T・Tの授業に楽しく取り組んでいる風景

(4)学力向上の手立てに対する生徒の反応及び反省
○上位・下位の生徒に応じた課題を提示することにより、個に応じた指導を行うことができた。その結果上位の生徒には応用力、下位の生徒にも基礎力をつけることができた。
○学習形態が多様になったため、生徒も飽きずに課題に取り組めた。グループで教え合う場面も多く見られた。
●既習事項の定着が弱い生徒は、本時の課題で困ってしまう場面も見られた。
●二人の声がぶつからないよう、発展コースでは極力声で指示をださないようにカードを見せてヒントを与えたり、発表の時間をずらしたりした。できれば別教室に移動させて授業をしたいところだが、なかなか実現が難しい。

(5)成果と課題
○T・Tの効果的な進め方について研究し、個に応じた課題を選択し学習を進めることにより、学力の向上と共に、授業を受ける態度にも変化が表れてきた。
●教材に対する基礎・基本や発展課題など指導者のより深い教材研究が必要である。
●T・Tの打ち合わせをさらに綿密にして個に応じた手立てをすすめる必要がある。
●能力差に応じた授業を本格的に進めるためには、施設・設備の充実と保護者、生徒の理解を得る必要がある。


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