平成11年度学力向上IDプラン 実践集録-035/045page

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3 社会―課題解決学習を取り入れた授業
【本校主題】 新しい学力観に基づいた学力の向上をめざす生徒の育成
       〜基礎学力の定着を図るための個に応じた指導の工夫〜
【社会科研究主題】自ら学ぶ意欲を高め、主体的に学習に取り組ませる学習過程の工夫

(1)主題のとらえ方
本校社会科部会では、副主題の「基礎学力の定着」・「個に応じた指導」をキーワードに主体的に学習に取り組める生徒の育成を主眼におき研究を進めてきた。その中で、自力解決を支援していくことで主体的学習の育成につながると考え、課題解決学習を取り入れた。そして、自ら学ぶ姿勢を持つために課題設定の段階から生徒の発想や思考を尊重し、支援することでより学習に興味を持ち、解決していこうとする意欲を喚起するものと考えた。

(2)授業の実際
○単元名「日本の中央部」(中央高地と北陸地方)
○学習過程上配慮した点
本単元の課題解決学習では、5時間の配当を行った。その1時間目として「課題設定」を研究の視点として扱った。まず、導入では、実物資料を提示し、個々の興味を高めさせるようにした。その中から、数種類の生産物に共通する点は何かという発問を行い、「長野県で生産されたもの」という点を気づかせるようにした。その上で、長野県をはじめとする中央高地での産業について追究課題をグループ単位で設定し解決の見通しを立てさせた。展開していく中で、資料をOHPで提示し設定の手かがりとしたり、グループ毎にヒントカードを与え、全グループが個々の疑問をより深められるように支援を行った。終末では、互いの課題を発表し合い、共有化を図ろうとしたが、時間配分に問題があり、個々の課題として意欲的に追究しようとする姿勢を持つことができたかについては、課題が残ったように思う。

(3)成果と課題
【成果】○グループ学習により、自由な雰囲気の中で既習内容がつぶやきとして出され、課題設定の段階で有効に生かされている。
○調べ、まとめるという時間の確保によって、自力学習の力が身に付きつつある。
【課題】●まとめた内容が、単なる発表に終わってしまい、学習の共有化が図られない。
●課題解決学習を通して、「学び方」を「学ぶ」という学習を定着させる必要がある。
●資料活用の段階で、その資料を課題に沿って十分に活用しているのかその評価のあり方が求められる。

課題解決学習の授業風景
課題解決学習の授業風景

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