平成11年度学力向上IDプラン 実践集録-040/045page

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5 学習を支える基盤づくり<学習訓練(話し方、授業の受け方)>
授業の受け方の基本となるものは「話しが聞ける」「自分の考えを発表できる」ことである。特に話しを聞く態度ができていない場合は学力向上は望めない。そこで、右の点を強調して全職員一丸となって指導に当たり実態の改善を目指した。
「授業6ヶ条」を生徒全員に配布するとともに、学級に掲示し意識化を図ることにし、さらに学習態度訓練強化週間を設け、重点的な指導ができるようにした。その結果、学力向上が図られ、改めて学習態度の大切さを実感した。

授業6ケ条
◎チャイムと同時に授業の開始
余裕を持って着席、授業の準備
◎元気のよいあいさつ
起立(先生の顔を見る)
礼(お願いします)
着席(着席と言われてから着席)
◎授業に集中
「本時のめあて」の確認
授業に関係のない話しはしない(話しかけない)
話は相手の目を見て聴く
積極的に発言
・しっかり手を挙げる
・語尾をはっきり〜です。〜だと思います。〜のところがわかりません。〜の考えと同じです。
・友達の意見をよく聴く。
◎ノートはしっかり(見易く整理)
・めあて・板書事項・疑問点・わかったこと・感心したことなど
◎忘れ物をしない
・メモを取る習慣
・準備は夜のうちに
◎計画的な家庭学習
・学年+1時間が目標
・不得意教科に時間をかける
また、学習訓練の中でも特に発表のしかたが身についていないことから、「発表のしかた」について重点的に指導を行った。その際、下位の生徒でも発表がスムーズにいくように「発表のしかた」を掲示した。

発表のしかた
<みんなの前で説明(発表)する場合>
( 1) 礼
(2) これから〜について説明(発表)します。
(3) …。以上です。
(4) 何か質問はありませんか。
(5) これで〜についての説明(発表)を終わります。
(6) 礼

実際の発表の場面でも、スタートがスムーズに行き、それまで発表が苦手な生徒でも何とか発表できるようになり、授業全体の雰囲気にも良い傾向が表れつつある。中学生としては、まだ物足りない部分もあるが、段階的に力をつけさせたい。
以上の観点で指導を継続した結果、生徒に対して行った学習態度実態調査の数字の上ではわずかしか改善は見られなかったが、教師間で行った実態調査では大きな変化が確認できる。これは、生徒の中の「授業の受け方」「発表のしかた」についての価値観が、それまでは普遍と思っていた態度をそれでは足りないと判断する生徒が増加したためと考えられる。
家庭学習の量も確実に増加し、進んで学習する姿が見られることから、学習態度は徐々にではあるが着実に向上している。今後は、小・中学校と連携し基本的な学習態度を早期にしかも確実に身につけさせるように取り組んでいきたい。
(例)授業に対して、協力的・積極的に参加している。(平成11年度 赤井中生徒意識調査より)

グラフ
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