平成11年度学力向上IDプラン 実践集録-041/045page

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◇ 新学習指導要領実施に向けて今後さらに大切にすべき点

これまでの研究実践の土台の上に(久之浜第一小学校)
新指導要領実施となっても「新しい学力観」における学力の考え方は変わるわけではない。また、学力は、日頃の地道な積み重ねによって向上してくるものである。そこで、本校では、下記の点についてさらに研究を深め、毎日の実践へとつなげていきたいと考える。

(1) 実態把握とそれに基づく個に応じた指導
児童の変容をとらえ、それに基づいて指導計画を構築したり、個に応じた指導や支援を位置付けたりすることは、学力の向上につながるばかりではなく、児童の達成感や成就感も増すものであると考える。さらに、実態や変容をとらえる方法も研究を深めていきたい。
(2) 各単元、各学年との関連と系統を踏まえた指導
基礎基本の定着は、1単元、複数単元、複数学年に渡っての関連や系統を考えて指導していくことによって、さらに図れるものと考える。
(3) 指導の重点化
関連、系統と関わって、重点化を図ることも必要である。その際、複数単元(複数学年)に渡って指導することと、この単元、この時間で指導することを明確にする必要がある。
(4) 問題解決的な学習・体験的な学習の重視
生きる力としての学力を身に付けるためには、欠かすことのできない学習活動である。関連と系統や指導の重点化と合わせて、子ども自らが疑問を持ち、意欲的に取り組むような児童の姿を目指して、これらの学習活動を進めていきたい。

一人一人が基礎・基本を身に付けるために(長倉小)
(1) 基礎・基本の明確化
指導者は、本時の基礎・基本は何かを明確にとらえて指導にあたらなければならない。しかし、1単位時間で全員に定着させるということは困難である。単元の終了まで必ず身に付けさせたい基礎的基本的事項は、繰り返し学習する場を設定していかなければならない。また、初出の学習内容は、一度覚えても忘れてしまうことが多々みられる。そこで、学期あるいは年間の計画に復習の機会を設けていくことも大切である。
(2) 実態把握と指導への生かし方
学力診断テスト等で、学力の実態を把握することは大切である。その結果を分析して生かしていくためには、年間指導計画のどの単元でどう指導していくのかを明確にしておくことが必要となる。
単元のレディネステストの結果分析も同様に、どの時間にどの子にどのような支援が必要かを、指導計画に位置付けることで、個に応じた支援を充実させることができる。
また、一人一人の学力の実態が異なるばかりでなく、興味・関心・意欲も異なる。一人一人の個性を考慮したきめ細やかな指導が大切であると考える。
(3) 校内一体となった取り組み
子ども一人一人に確実な基礎学力を付けさせるためには、校内一体となった取り組みが大切である。lDプランと現職教育研究を平行して推進したことは、大変効果的だったと考える。毎週位置付けられている現職の時間には、検証授業の事前・事後の話し合いに、全校で取り組みたい内容を話題とすると、指導者側の意識が高められる。


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