第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-005/285page

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に生きる人間の育成等をそれぞれの目標として,それぞれの場における教育が展開されている。

 学校教育,家庭教育,社会教育が,それぞれの特性に応じた機能を十分に働かせながら,役割分担

を明確にし,更に密接な有機的連携のもとに,発達段階に即したより具体的な教育目標が設定され,

効果的にして密度の濃い教育が展開されることを希求するものである。

 急速に進展し,変ぼうする社会にあって,すべての県民が幼児期から高齢期に至るまで,それぞれ

の時期に応じて,自ら学習し,また教育を受ける機会を求め,自らの向上と生きがいのある生活の実

現を望んでいる。県民のこのような要求に応ずる,生涯にわたる統合された教育の実現を図るものが

生涯教育であるが,その必要性は一層高まっていく情勢にあると考えられる。このような社会背景の

もとで,本県教育委員会は,

      「未来をひらく,県民のための生涯(がい)教育」

の実現をめざして,教育・文化の拡充とその質的向上を志向した諸施策を推進しようとするものである。

 教育行政の目標は,教育基本法に規定するとおり,教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確

立をめざすものであるが,本県教育委員会のめざす「未来をひらく,県民のための生涯教育」の理念と

して,次の三つの柱を立て,その実現を図るための諸施策の推進に努力するものである。

 (1) 豊かな教養と正しい判断力をもつ人間の育成

   情報化社会と呼ばれる現代社会の多様な価値観に対処するためには,豊かな教養と正しい判断

  力をもつ人間の育成が要請される。そのためには,それぞれの発達段階に応じた知識の習得が前

  提となると考えられ,その累積が課題解決能力を備えた自主的・自立的人間を育成することにな

  るのである。

 (2) 個人の価値を尊ぶ人間の育成

  人間は,個々人がばらばらに存在するものでなく,平和的な国家及び社会の共同体の一員として

  存在するものであると同時に,一人ひとりが,社会の形成者であるとの認識に立たなければなら

  ない。そのため,社会人として必要な基本的生活態度・習慣を身につけ,自他の人格を尊重し,

  人間関係を大切にする人間の育成が要請されるのである。

 (3) 健康な人間の育成

   健全なる精神は健全なる身体に宿ることは,古今を通じて変わることのない真理の一つと考え

  られる。豊かな教養と正しい判断力をもつ人間,個人の価値を尊ぶ人間等,心の健康とあいまっ

  て,自己をより充実させる原動力となるものであり,その意味で健康な身体の育成は当然要請さ

  れるのである。

 以上の理念に立つ「未来をひらく,県民のための生涯教育」の実現を図るため,本県教育委員会は,

昭和60年度までの長期的展望に立って,教育行政の目標を次のとおり設定し,調和と統一のとれた施

策を推進するものである。

 1) 学校教育機会の拡充を図る。

 2) 教職員組織の充実を図る。

 3) 教育環境の整備充実を図る。

 4) 教育内容・方法の改善を図る。

 5) 社会教育機会の拡充を図る。


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