第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-020/285page
幼稚園を設置している69市町村中55市町村において実施している。その事業内容は42市町村が国
の補助限度額と同じ基準であり,他の13市町村は国の補助限度額より低くなっている。これは幼
稚園の保育料が国の補助要綱で定めている額より低いためである。
また,幼稚園奨励補助事業について昭和51年度の事業計画からみると,就園幼児数に占める補
助対象園児数の割合は,公立幼稚園で47.9%,私立幼稚園で63.6%となっており,私立幼稚園に
おけるその割合が公立幼稚園より15.7ポイント高くなっている(「義務教育課調査」(昭51))。
この状況は,保育料の高い私立幼稚園に就園させている父母負担の軽減という面から望ましい
ことと考えられる。
従って,今後は,市町村における保育料較差の解消を図るために,適正保育料について検討する必要があろう。
また,私立幼稚園の保育料については,国の運営費補助制度の拡充を国に対して要望するとと
もに,地方公共団体においても,財政援助等の方策を検討し,公立幼稚園保育料との差を縮小す
る必要があろう。
2.施策の基本方向
(1) 就 園 率
幼稚園の対象幼児数を予測すると,幼児数は増
加の傾向にあり,昭和60年度には,3歳児33,911
人,4歳児33,606人,5歳児33,298人に達すると
想定される(表2−1−5)。
また,就園率を予測すると,各歳児ともその就
園率が上昇傾向にあり,昭和60年度には,3歳児
7.0%から8.3%,4歳児60.0%から65.5%,5
歳児77.7%から82.2%の範囲の就園率に達すると
想定される(表2−1−6)。
以上の想定に基づき,市町村においては,それ
ぞれの実情に即して,幼稚園教育の拡充の計画を
立案し,昭和60年度には,就園率が3歳児7%,
4歳児60%,5歳児80%に達するよう努める。
表2−1−5 幼稚園対象幼児数の予測(単位:人)
年度/区分 3歳児 4歳児 5歳児 51 30,925 30,895 30,605 55 32,139 31,602 31,345 60 33,911 33,606 33,298 注:福島県長期総合計画における人口フレームに
基づき,総務課において推計する(昭51)。
(2) 地域別就園率
各歳児ともその就園率に地域間較差が認められるので,4歳児においては,県北,県中,南会
津各地域,5歳児においては,会津,南会津,いわき各地域の就園率の上昇を図り,就園率の地
域間較差の是正に努め,就学前教育の機会均等の実現を促進する。
表2−1−6 就園率の予測(単位:%)
年度/区分 3歳児 4歳児 5歳児 55 5.0〜6.5 46.9〜53.0 72.3〜79.2 60 7.0〜8.3 60.0〜65.5 77.7〜82.2 注:1.「総務課推計」(昭51)による。
2.推計は実質県民総支出を説明変数,就園
率を目的変数とする計量モデルによる。
(3) 保育所の在籍率
5歳児の県平均保育所在籍率の昭和45年度から昭和50年度までの推移から,将来における5歳
児の保育所在籍率は,20%から26%の範囲にあると想定される(図2−1−7)。
また,幼稚園と保育所の「相互補完的な役割」の必要性は,今後も継続されると想定されるの