第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-030/285page
つつ,必要面積を充足するよう努める必要があろう。
更に,個々の施設・設備については,幼稚園の水準の向上を図るため,設置基準を上回るよう
努めるとともに,国に対し,施設・設備の補助額を高めるよう要望する必要があろう。
2.施策の基本方向
施設・設備
幼稚園園舎総面積に対する木造面積の占める割合は,最近5か年間の幼稚園園舎の新増改築事
業実施状況からも明らかなように,毎年低くなり,今後も,耐震・耐火構造(主として鉄骨構造)
による幼稚園園舎が増加するものと想定される。
最近数年間の必要面積充足幼稚園の現有率は,各年度ともに,50%に満たず,ほぼ横ばい状態
で推移するが,このような状況は,必要面積算定の基礎となる将来の幼児数の推移等を十分には
握し,それに応じた幼稚園園舎の新増改築事業が実施されない限り,今後も続くと想定される。
最近数年間における危険面積を保有する幼稚園の現有率は,昭和48年度以降,下降しながら推
移するが,この傾向は,今後も続くと想定される。
前述のような想定に基づき,昭和60年度までには,木造構造の幼稚園園舎を計画的に解消する
よう努めるとともに,危険建物に認定された幼稚園園舎の改築を積極的に推進するよう市町村
を指導,助言する。また,幼稚園園舎の新増改築事業の計画・実施にあたっては,耐震・耐火
構造とするよう指導するとともに,将来の幼児数の推移等を十分には握し,不足面積が生ずるこ
とのないよう適切な措置を講ずる。更に,幼稚園園舎における個々の施設・設備については,設
置基準を上回るよう指導するとともに,国に対しては,施設・設備の補助額(補助率)を高めるよ
う要望する。
第4項 教育内容・方法と指導体制
1.現状と課題
(1) 教 育 目 標
幼稚園の教育目標は,その幼稚園が全教育活動をあげて達成すべき目標であり,幼稚園教育の
理念を示すものである。従って,幼稚園における教育実践の指標となるものとしてとらえなけれ
ばならない。
昭和51年度の本県公・私立幼稚園教育目標の策定状況をみると,最も多い項目として,「健康」
をあげている(図2−1−22)。
このことは,幼稚園教育の基本方針(幼稚園教育要領)である「健全な心身の基礎を養う」と
いうことからも当を得ているといえる。また,「仲よく遊ぶ」,「最後までやりぬく」等「基本的
生活習慣の形成」を教育目標とする幼稚園の比率が多いことも,発達段階からみて当然のことと
思われる。
一方,昭和51年度の公・私立各幼稚園における要覧等によると,幼稚園の実情及び地域や園児
の実態に応じたものがみられ,心身ともに健全で調和ある発達を願う教育目標を設定しているこ
とがうかがえる。