第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-033/285page
従って,今後は,「総合的な指導」の内容を明確にし,その指導にはどのような配慮が望ましい
のか等について,継続して指導を行うことも必要であろう。
ハ.について
昭和51年度における幼稚園建物の態様については(表
2−1−17)のとおりで,公立幼稚園で他の施設に併
設されていない幼稚園は27.8%であり,特に,小学校
に併設されている公立幼稚園は,小学校の児童との関
係で園児が十分活動ができない状態にあると推測され
る。
従って,今後は,幼稚園としての機能を十分に果たすため,施設・設備等の充実・整備が必要
であろう。
表2−1−17 建物の態様(単位:%)
公・私別/項目 他の施設に併設されていない
幼稚園ていない幼稚園公立幼稚園 27.8 私立幼稚園 77.8 注:1.「総務課調査」(昭51)
2.割合=(該当園数)÷(調査全国数)
×100
(4) 指導の評価
実態について,指導訪問や研究会等の状況でみると,指導計画が一般にばく然としており,指
導のねらいが不明確であったり,具体性に欠けるため評価しにくい現状にある。また,評価及び
その方法についての理解が不十分であり,評価といえば,単に測定や,数量化することにとどま
る傾向にあり,指導の評価が指導計画や指導方法の改善に役立っていないといえる。
従って,今後は,効果的な指導のため,評価の方法,評価結果の活用等について,研究を深め
ていく必要があろう。
(5) 指導体制
幼稚園教員の資質向上のための研修は,文部省,県教育委員会主催のものをはじめとして,各
種研究団体のものなど,数多く実施されているが,ここでは,県教育委員会主催の研修に限って
その種類と参加状況をみる。
表2−1−18 幼稚園教育研修会の参加教員数(単位:人)
研修区分/年度 45 46 47 48 49 50 幼稚園教育課程研究集会 251 315 300 300 650 707 幼稚園教育指導者講習会(実技) 67 77 69 91 85 57 注:「教育年報」(昭45〜昭50)による。
幼稚園教育に関する研修の種類及び参加状況は,表2−1−18に示すとおりであるが,昭和50
年度における参加合計人数は,764人となっている。
また,以上の幼稚園教職員研修を支える「幼稚園における教育課程,教育指導その他幼稚園教
育に関する専門的事項の指導に関する事務担当者等」の配置状況をみると,義務教育課及び教育
事務所における指導主事が事務分掌により幼稚園教育を担当しているという状況にある(「各課(所
館)教育事務所組織と職員名簿」(昭51))。
従って,今後は,経験年数10年未満の本務教員が約76%を占める状況(「第2項 教職員組織」)
を踏まえ,適正な指導行政を推進するため,指導行政組織の整備充実に努めるとともに幼稚園教
員の資質を更に向上させるために,研修機会の拡充を図る必要があろう。