第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-154/285page
進路指導は,対象児が重度化しており,社会復帰が困難となっているが,身体障害者雇用促進
法の改正によって職場の門戸が開放されつつあるので,関係機関と連携を図りながら進められて
いる。
以上の現状から,今後は,単に知的発達遅滞の度合いだけでなく,知覚,認知,思考の異常等
認識過程の質的差異をは握し,教育目標を見現化する教育内容の精選と教育方法の開発に努める
必要があろう。特に養護学校対象児の重度化,重複化に対応するため,精神薄弱児の養護・訓練
についての研究が急務である。
(4) 肢体不自由教育(養護学校)
肢体不自由教育は,養護学校(肢体不自由教育)小学部・中学部学習指導要領に従い,教育目
標を設定し,教育課程を編成している。
教育目標は,一般の教育目標にそって肢体不自由児童生徒に対し,機能の維持改善及び向上を
図りながら,身体的特性,個人の能力に応じた指導により,一人ひとりに生活への希望をもたせ,
たくましい心身を養い,社会の一員として有為な人間の育成を図るよう設定されている。
教育課程については,各教科,道徳,特別活動,養護・訓練の四領域から編成され,治療中の
児童生徒に対する教育課程,及び脳性まひ等の児童生徒にかかる各教科については特例による教
育課程がそれぞれ編成されている。
高等部については,高等学校に準ずる教育課程となっているが,特に職業に関する教科,科目
を自己の障害,能力,進路等に応じて選択履修できるよう配慮されている。また,重複障害生徒
に即応した教育課程の編成が試みられている。
教育方法については,脳性まひ児童生徒が年を追って増加していることから,教材教具の開発
指導グループの編成等研究実践が進められているが,児童生徒の心身の障害程度が多岐にわたり,
更には,養護教育機会の拡充に伴い重度・重複障害児の就学が年々多くなってきているため,多
様な教育方法の開発が望まれる。
学習の評価については,他の児童生徒との比較による評価から児童生徒個人の学習の到達目標
をたてて,その到達度をみる評価が行われている。
生徒指導は,よりよい人間関係の育成,生活能力の向上,学校生活での適応の指導に重点をお
いている。
進路指導については,脳性まひの生徒の多くは,適職をみいだすのが因難な状況であるが,進
路選択のための知識,能力,適応性の養成等の指導に努力が払われている。
以上の現状から,今後,教育目標実現のためのきめこまかな教育課程の編成が必要であり,教
育内容の精選をはじめ肢体不自由児の実態を科学的に解明しながら,教育方法の研究を進める必
要があろう。(「学校要覧」(昭51))。
(5) 病弱・虚弱教育(養護学校,病弱・虚弱学級)
病弱・虚弱教育の場は,養護学校と小・中学校における病弱・虚弱学級がある。養護学校では
養護学校(病弱教育)小学部・中学部学習指導要領を基準とし,特殊学級は,それを参考として
教育目標を設定し,教育課程を編成している。
教育目標は,一般の教育目標にそって,病弱・虚弱児童生徒に対し「明るく,強く生き