第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-155/285page

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ようとする強固な意志の養成」,「健康状態の回復・改善と体力の増進」,「健康生活に必要

な知識・習慣態度の養成」,「適切な進路を選択する能力の養成」等が多く取り上げられて

いる。

 教育課程は,「個々の病弱・虚弱の状態に即応していること」に重点がおかれ,養護学校では,普

通課程,床上課程,重複障害課程別に編成されているが,小・中学校の病弱・虚弱学級においても養

護・訓練が取り上げられてきている。また重度・重複障害については,養護・訓練を中核とした

統合・合科による指導が行われているが,年間授業時数は,児童生徒の心身の状況に応じた配当

となっている。

 病弱・虚弱の教育は,病気の種類や程度が多種多様で,一単位時間の短縮,病状による配当時

数の削減,学習空白による学業不振等困難な条件が多い。これらの諸条件に適する教育方法とし

て,医療との関連における学習度段階別学習指導等が試みられているが,対象児の病気の慢性化,

重度化が進み,その教育方法の研究が必要となっている。

 学習の評価については,病弱・虚弱教育の特徴からみて,普通教育とは異った観点からの評価

が必要であり,児童生徒個人の学習度を考慮し,到達目標をたて,その到達度をみる評価が行わ

れている。

 生徒指導については,健康生活,交友関係,情緒の安定,余暇指導が主となっている。特に,

病弱児の場合,医療機関との連絡を密にし,指導の一貫性が図られるよう努力されている。

 進路については,病弱・虚弱の状態が回復・改善して高等学校に進学または就職する生徒が多い

が,慢性的な病気の増加に伴い,卒業後も療養生活を余儀なくされる生徒が増加の傾向にある。

 特に,現代医学においては,不治とみられる疾患を持つ生徒の卒業後を考えるとき,生命の尊

さ,人間存在の意義をどのように受けとめ,どのように指導するか,今日の教師に課された問題

といえる。

 従って,今後は,対象児童生徒の病気の慢性化,重度化が予想される中で一人ひとりに対応で

るき教育目標の設定,教育課程の編成が必要であり,学習の空白に伴う教育内容の精選,教育方

法についての研究を進める必要があろう。(「学校要覧」(昭和51))。

(6) 指導体制

  教職員の資質向上のための研修は,文部省,県教育委員会主催のものをはじめとして,各種研

 究団体のものなど,数多く実施されているが,ここでは,県教育委員会主催の研修に限って,そ

 の種類と参加状況をみる。

  盲,聾,養護学校の校長研修会,教頭研修会,中堅教員研修会,女子教員研修会は,小・中学

 校または県立学校におけるそれぞれの研修会に含めて実施されている。

 中堅教員及び女子教員研修会の参加状況は

表2−5−17に示すとおりである。

表2−5−17 盲,聾,養護学校教員研修の参加人数(単位:人)

研修区分/年度 46 47 48 49 50
中堅教員研修会 4 6 3 2 2
女子教員研修会 4 3 3 1 2

注:「教育年報」(昭46〜昭50)による。

 また,養護教育に関する研修の種類及び参

加状況は,表2−5−18に示すとおりである

が,昭和50年度における参加合計人数は,934

人となっている。以上の教職員研修を支える


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