第2次福島県長期総合教育計画(昭和53年度〜昭和60年度)-259/285page
要である。美術工芸品の場合は,保存庫への収納状態での公開,または,博物館,資料館等への
寄託等による公開が望ましい。現在,県内における主な文化財公開施設は19館がある。(表5−3
−21)。
無形民俗文化財等芸能の公開は,一般の理解と認識を深めるとともに,技の練磨や研究,後継
者の養成に役立っている。県では,昭和
26年度より毎年民俗芸能大会を開催し,
県内に遺存する民俗芸能のうち,価値の
高いものを広く公開して,民俗芸能に対
する一般の理解と認識を深めるとともに
公開芸能の記録保存を行っている。更に
は,北海道・東北ブロック民俗芸能大会
を7道県持ち回りで開催し,民俗芸能の
保存伝承を図っている。市町村において
も,この種の催しの開催が望まれる。昭
和51年度の民俗芸能大会には,県内の代
表的な民俗芸能7団体が参加している。
従って,今後は,更に文化財の活用を
図るため,積極的な文化財の公開を推進
し,民俗芸能については,可能なかぎり
発表会を開催して,一般の理解と認識を
深めるとともに,保存の推進を図る必要
があろう。
表5−3−21 文化財公開施設
名 称 所 在 地 設 置 者 福島県美術博物館 福 島 市 福 島 県 福島県歴史資料館 〃 〃 本宮町立歴史民俗資料館 本 宮 町 本 宮 町 開 成 舘 郡 山 市 郡 山 市 須賀川市立博物館 須賀川市 須賀川市 船引町歴史民俗資料館 船 引 町 船 引 町 石川町歴史民俗資料館 石 川 町 石 川 町 喜多方市郷土資料館 喜多方市 喜多方市 若松城天守閣郷土博物館 会津若松市 会津若松市 磐 梯 民 芸 館 北塩原村 個 人 野 口 英 世 記 念 館 猪苗代町 財団法人 会 津 民 俗 館 〃 個 人 河 東 村 民 俗 館 河 東 村 河 東 村 奥会津地方歴史民俗資料館 田 島 町 田 島 町 奥会津南郷民俗館 南 郷 村 南 郷 村 相馬市教育文化センター 相 馬 市 相 馬 市 いわき市文化センター いわき市 いわき市 勿 来 美 術 館 〃 財団法人 四 倉 史 学 館 〃 個 人 2.施策の基本方向
(1) 文化財愛護活動
文化財の保護は,その地域住民の文化財愛護活動によるところが大きいので,地域における文
化財愛護活動を盛んにするため,モデル地区の指定を拡大する。また,県民全体の文化財に対す
る理解と認識を高めるため,市町村との連携を密にし,文化財愛護思想の啓蒙と普及のための事
業を促進するとともに,文化財の保護に功労ある個人や団体を顕彰し,愛護精神の高揚に努める。
(2) 文化財公開
文化の伝承は,まず文化財に接するところがら始まる。従って,文化財の公開,発表会を積極
的に促進する。常時公開できない文化財等は,個々の文化財に応じた公開体制の整備を図る。ま
た,文化財のスライド,記録映画等を作成し,文化財の活用を図る。