サクシード2中学校英語から高等学校英語へ-004/45page

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3 Do you think the same tragic accidents happen in Japan? 2)
4 Why do you think so?                   2)
1)のlow-cognitive questionは、「まとめ」のときに生徒の記憶を確かめたり、知識の定着を図ったりするのには効果がありますが、思考力を高める効果は弱いと言われています。反対に、思考力を高める効果が強いと一般的に言われているのは2)のhigh-cognitive questionです。
授業の目的や生徒の発達段階も考慮すると、常に1)の方がよいとは限りません。しかし、「考えさせる」という視点が欠けがちであると言われることの多い日本の授業を改善するには、自分のQUESTIONが1)と2)のどちらに属しているかを常に意識したうえで発問をし、そのバランスを考えながら、徐々に2)のhigh-cognitive questionを多くしていくことが非常に効果的だと考えられます。

(2) 生徒の持っている知識を活用する
リーディングの理論として知らなければならないのはスキーマ理論(SCHEMA THEORY)です。これは、「読者は、テキストの中の新しい情報を採り入れる際に、自分がすでに持っているそれに関連した知識を利用する」という理論です。これに関してNunan は―"for high school ESL readers, relevant background knowledge was a more important factor in reading comprehension than grammatical complexity"(読解において、ハイスクールのESLの生徒達には文法的に複雑なことよりも、関連した知識の方がもっと重要な要素だった)―と述べて、それを裏付けています。

(3) リーディングの3つのステージ
リーディングの指導に関して、もう一つの大事な流れは、リーディングの活動をprereading, while-reading, postreadingという3つのステージに分ける指導法です。この内、特にprereadingとwhile-reading活動においては、巧みなQUESTIONINGによって、生徒のすでに持っている知識に働きかけ、生徒の興味・関心を引き出したり、理解を深めさせることが可能です。
パラグラフ・リーディングの発問を考えるとき、上に述べた2つの流れ(スキーマ理論、リーディングの3ステージ)を踏まえると、より効果があがるでしょう。上に紹介したQUESTIONを例にとれば、3番目のDo you think the same tragic accidents happen in Japan?が、生徒のスキーマを活性化させるQUESTIONに当たり、while-reading活動で使える発問だと言えるでしょう。

(4) 発問の順序にリーディングの理論を採り入れる
発問を周到に準備したとしても、それをどのような順序で生徒に提示すれば生徒の

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