サクシード2中学校英語から高等学校英語へ-015/45page

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例えば、My dreamというタイトルでライティング活動をすることになったとします。「書いてみなさい」という教師の指示だけで「書ける」ならば、教師は要りません。そこで教師は英語または日本語で問いかける必要があります。ただし、ライティングの指導に関する問いかけでは、最初から理解すべき英文があるパラグラフ・リーディングの指導の場合の問いかけとはポイントが違います。一般に「書けない」生徒の場合には、最初から大きなことを考えるために書けないという傾向があります。My dreamの場合、「書けない」生徒はこう考えがちです。「夢などというほどの大それたものは持っていないし、困った」と。そこで、教師の問いかけは、タイトルを噛み砕いた、身近で具体的なことから始めると効果的です。
発問例)
If you don't have a dream, let's think about one of your favorite things.
 1) What is your favorite thing?
 2) How long have you liked it?
 3) Do you think it is interesting?
 4) Why do you think it is interesting?
 5) Do you want to continue it?
生徒はこれらの問いかけに英語または日本語で答えることになります。仮に、漫画が非常に好きな生徒がいたとすると、1)〜5)の発問に対して、こう答えるかもしれません。「自分は漫画が好きだ。小学校の低学年からずっと好きで、時々自分でも描く。漫画のおもしろさは、現実の世界では起こらないようなことが起こることだと思う。ずっと漫画と付き合っていけたらと思う」と。
ここまで来れば、あとは簡単です。教師は生徒に気付かせればよいのです。例えば、「君は、漫画が好きで、それと付き合っていきたいという気持ちを持っている。それは、ささやかかもしれないが、りっぱな夢ですよ」と言ってあげればよいのです。これで、その生徒の書くべき内容は一応できあがりました。
このように、何かを書かせたり、話させたいときには、常に生徒の身近にある具体的なものから考えさせる習慣を「問いかけ」によって身に付けさせることができます。

(4) 英語の発想によるライティングを:発想の順序に気配りを
左のページの2)の「自分の意思を伝えることのできる、ある程度の長さの英文を組み立てるための技術を身に付けさせる」については、これまで文法事項・語法・語彙等を中心に様々な試みがなされてきました。しかし、その中で欠けがちだったのは、英語らしい発想で文章を構成するための指導です
たとえ自分の書きたいことが浮かんだとしても、それをわずか一つの英文で表現することは、偉大な詩人でもなければ、通常は不可能です。当然のことながら、複数の

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