サクシード2中学校英語から高等学校英語へ-016/45page

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英文を必要とします。そして、たとえ自分の書きたいことを英語で表せたとしても、それら複数の英文が英語らしい発想で構成されていなければ、全体として英語らしい文章にはならないばかりか、最悪の場合は、理解されないことになりかねません。
何度も引用した「英語の発想・日本語の発想」には、このことについて次のように書かれています―英語の論理と日本語の論理が同じものであるわけではない。(中略)まず、センテンスの語順。(中略)ところが、センテンスとセンテンスの順序については、語順におけるような入れ換えの必要があるのか、ないのか、すらほとんど問題になることがない。語順の交換をしなければ日本語⇔英語の転換ができないのなら、文順(そんなことばは熟していないが、かりにパラグラフの中のセンテンスの配列順をそう呼ぶとすれば)の最小限の交換も必要だと考えた方が自然ではなかろうか。(中略)かつて駐日アメリカ大使だったライシャワー氏が、日本人は話し始めたら終わることを知らない、と批評したというが、話すときはことに段落の観念があいまいである。連想の引き出す話題へつぎつぎ移ってとどまるところを知らない。パラグラフを重ねて議論するのとは著しく違っている―と。
そこで必要になってくるのがパラグラフ・ライティングの指導です。「パラグラフ・リーディング」の項で示した「英語の発想では、重要なことが最初に来る」(P.1)や「中学校におけるパラグラフ・リーディング」の項の「パラグラフ」、「トピック・センテンスとその位置」(P.7)などの指導がライティングの指導でも必要となるのです。

2 中学校におけるパラグラフ・ライティング
自分自身の考えを、ある程度の長さをもつ英語で英語らしい発想に基づいて〔パラグラフで〕表現させる、を中・高の英語表現活動における最終目標の一つとして設定するとしても、英語の初学者がすぐにパラグラフを作ることは極めて困難ですので、中学校においては、以下のような段階を踏む必要があると考えられます。
 1) まず、基礎的・基本的な英語表現を身に付けさせると同時に、英語で表現しようという意欲を高めさせる工夫をし、1センテンスの英語を作れるように指導する。
 2) 1センテンスの範囲内での活動から脱却し、常に、もう一つのセンテンスをプラスさせ、複数の英文での活動を目指す
 3) 絵を描かせるなどして幾つかの場面を設定し、それぞれの場面に合った複数の英文を書かせ、パラグラフ・ライティングを目指す。
1年生の「伝えようとすることを簡単な文で書くこと」の指導についての具体例

英語を学び始めて間もない生徒にとっては、表現意欲を持ちながらも、学習した言語材料が少ないため、自分の思っていることを十分に表現できない傾向があります。
そこで、生徒の書こうとする意欲を高める手がかりの一つとして、次のような事項を


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