サクシード2中学校英語から高等学校英語へ-038/45page
を読み取っていないと答えられない問題もあります。そのような問題の正答率はかなり低いのが現状で、長文読解力育成の必要性は明らかです。
もちろん生徒の興味・関心を高める工夫をして Let's Readに取り組む例も数多くありますし、サイドリーダーなどを活用して計画的に読解力を高めているケースも見られます。「サクシード2」でもLet's Readを題材に展開例が紹介されていますので、これを機にLet's Readや長文読解の指導を見直したいものです。
質問2) 授業で「中学校で習ったはずだ」と言うと、「教わっていない」という返事が返ってくることがよくあります。どうしても以前のイメージにとらわれてしまうので、現在中学校で取り扱っていない指導事項を教えてください。
A.学習指導要領の改訂により、コミュニケーション能力の育成や基礎的・基本的内容の定着が図られた結果、一部取り扱わなくなった文法事項があるのは確かです。また逆に中学校で取り扱うようになった言語材料もあります。以下は前回の改訂で変更になった点です。
○追加されたもの
・SVOOの文で直接目的語に疑問詞+不定詞がくるもの
(Mrs. Aoki taught us how to cook it.など)
・SVOCの文で補語に形容詞がくるもの
(The news made us happy.など)
・不定詞の副詞的用法で原因を表すもの
(I'm very happy to see you.など)
○現在扱われていないもの
・感嘆文
・付加疑問文
・関係代名詞のwhom / whose補足すると、感嘆文・付加疑問文ともに表現としては教科書に登場しますが、言語活動を活発にするためのもので、その詳しい用法についての理解が求められているわけではありません。また関係代名詞で扱うのは主格that / which / whoと目的格that / which(後置修飾の1つとして接触節を学習した後に、目的格の省略を学ぶという順序で登場します)の制限的用法の基本的なものだけで、その指導も理解の段階にとどめ、表現まで高める必要はないと明記されています。また制限的用法の基本的なものということは、前置詞+関係代名詞や先行詞と関係詞節が離れたものなどは扱わないということです。その他、完了形は現在完了形のみで、過去完了形や完了進行形は扱われません。
もうひとつ改訂の特徴として、単語・文法事項とも指導において学年に縛られない弾力的な運用が認められているという点があげられます。例えば、単語については指