サクシード2中学校英語から高等学校英語へ-039/45page
導要領にある507語を含む1000語程度を学習すべきとありますが、どの学年で学習するといった枠はありませんし、文法事項も1年では現在形のみ、現在完了形は3年になってから、というのではなく、東京書籍の教科書でも1年生で過去形、2年生で現在完了形を学習する扱いになっています。これはより活発な言語活動を行うために、従来よりも早い段階での指導が認められているためです。
いずれにしても完全学校週5日制の実施に伴い、今後さらに学習内容が精選されるのは必至です。中学校で何を学習し何を学習していないかを高校で把握することは、これからも中学・高校間の連携のために有効であることは言うまでもありません。
質問3) ALTとの授業ではゲームや歌ばかりやっているという話を聞くのですが、実際のところはどうなのですか。
A.それは若干偏った見方ではないでしょうか。「語学指導等を行う外国青年招致事業」(JETプログラム)も既に10年が経過し、もはや生徒に外国人が珍しいという気持ちは少ないようです。確かに授業の雰囲気作りなどにおいて、ゲームや歌が関心・意欲を高めるのに大いに有効であることに変わりはありません。しかしALTの数が増加し、one-shotの訪問が減りつつある現在、生徒たちはゲームだけの授業では満足しません。ALTにしても、ゲームマシンの役割だけでは納得しません。JTLとALTが創意工夫しながら、4技能のバランスがとれた英語力向上のために取り組んでいるのです。
質問4) 辞書を引けない生徒が多いのですが、引き方指導はしているのですか。
A.辞書の引き方指導は、アルファベットを覚える1年生の始めの時期に行うのが一般的です。しかしその後、生徒が自分で辞書を引く機会は減ってしまいます。その一番の理由は、辞書で調べなくても新出単語の意味が教科書の単語リストなどに掲載されているからです。辞書を引くという行為は、外国語を学ぶ限り続くわけですから、その重要性は否定できるものではありません。しかし、辞書引きに関しては近年、以下のような考えから、特に学習の初期段階においては安易に奨励しないという動きがあります。
知らない単語・表現等があれば、すぐに辞書で調べさせるというのが以前の一般的な指導法でした。その結果、生徒はこまめに辞書を引く習慣が身に付きました。しかし一方では、知らない単語があると不安で英文に接することができないという生徒が生み出されてきた、という指摘があります。これは、ある意味で、外国語学習が語を中心とした学習形態をとっていた時代の指導法とも言えるでしょう。
しかし、この「サクシード2」にも述べてあるとおり、未知の単語が多少あっても英文全体の大意がわかるという実践的なコミュニケーション能力を持った生徒を育てることが今求められています。自分の学習している外国語が日常的に話されているという環境から遠く離れた国でその外国語を学んでいる者にとって、その外国語の語彙